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会議で発言内容をどれだけ繰り返せているか?

NHK総合2011年4月16日(土)放映

「マイケル・サンデル 究極の選択」大震災特別講義 より。


ハーバード大学のマイケル・サンデル教授。

白熱教室と題して、絶対的な答えのないテーマを議論させます。

4月16日の放送では、特別講義として3月11日に起きた東北地方大震災を取り上げ、

日本、アメリカ、中国を結び、

「危機への日本人の反応をどう思うか?」「日本と他の国での反応の違いに驚いたか?」
「君たちの国でも同様の行動ができるだろうか?」

等のテーマで議論が行われました。


マイケル・サンデル教授がファシリテーター(議事進行役)として、
やはりすごいな、と思うのは、

発言者の発言内容をしっかりと受け止め、
端的にまとめて、それを違った表現で、繰り返して言うこと。


以下のように。


マイケル・サンデル教授(以下MS):淳子さん(女優の高畑淳子)、あなたに質問があります。
                  次の二つの選択肢のうち、いずれかを選ばなければならないとしましょう。

                  災害時、自分の地域を守るために非常にリスクの高い場所へ行くか、
                  あるいは自分の家族を守るために家族と共にいるか?

                  あなたならどうしますか?

高畑淳子:家族のところに行きます。世の中が全部終わっても家族と一緒に死にます。

MS:淳子さん、あなたにとってはコミュニティ、共同体に対する忠誠心より、
   家族に対する忠誠心が優先する、そういうことですね。


(中略)


MS:石田衣良さん、個人主義と共同体意識について、あなたはどういう意識を持ったでしょうか?

石田:こういう災害が起きるとですね、それぞれの国の地の部分が表に浮き上がってきますよね。

   で、マイケルさんがおっしゃっているようなコミュニタリアニズム(共同体主義)と言うのは、
   日本人の場合は思想とかと言うのではなく、生活の中に染み込んでしまって、
   トラブルがあるたびに出てくるんですよ。

   ですから外国のメディアであの暴動や窃盗が起きなかったということを奇跡だという評価が
   ありましたけど、それは日本では全く当たり前です。

   そういう災害の現場で盗みが起こるようなことは想定していなんですね。
   そこで、ひとつ申し上げておきたいのは、マイケルさんがおっしゃっているように、
   コミュニタリアニズムの考えって言うのは国に対する忠誠心ではないんです。

   自分の小さな地域、目の前にいる家族、あるいは隣人に対する献身として現れてくる。
   日本では政府はあまり人気がないんですよね。

MS:衣良さん、つまりこういうことだろうか。
   忠誠心や義務感を自分の身の周りのコミュニティ、例えば家族や地域には抱くが、
   その一方で政府に抱く忠誠心や義務感はそれとは全く違うものだ、と言うことでしょうか?

石田:えぇ、日本では全く違いますね。

MS:誰か違う意見がある人は?

学生:今回、暴動があまり起こらなかった理由として、皆さん家族だったら守ると言ったんですけど、
   日本は多民族国家ではないので、国全体としてひとつのファミリーだという意識が強いと思うんですね。

   隣の方はもちろん家族じゃないかもしれないけど、昔々繋がっていたかもしれない。
   そして、そういった気持ちをみんなが共有しているからこそ、
   きっと隣の人が助けてくれたはずだという期待のもと、また隣の人と助けると思うんですね。

   これがカトリーヌ(アメリカで起こったハリケーン)の場合ですと、
   隣の人が中国人、ヨーロッパ人と様々なバックグラウンドがあったと思うんですけど、
   同じ価値観を共有していることが、確かめられないので、不安になり、
   やはり一番小さな家族を守ることに集中すると思うんです。

MS:悠太郎(学生の名前)の指摘したのは、こういうことだろうか。

   国には拡大家族と呼べるようなコミュニティの側面があると。

   それは日本が、例えばアメリカのような非常に多くの民族が同居するような社会ではない
   という事実に関係しているのではないかと言うことだ。



これ、意外とできる人少ないです。

会議をうまく進められれば、組織の問題解決力も、組織力も高まります。

だからこそ、議事進行役には、この発言内容を意訳して繰り返す、ってことをやってもらいたいんですが・・・。

これができるようになるためには、

人の言っていることをしっかりと理解する力が必要であり、
それをまとめる表現力が必要になります。

つまりは国語力ってことなんでしょう。



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