アンゾフの成長ベクトル(新市場開拓戦略)
12月2日放送のワールドビジネスサテライトより
※日付はあまり定かではありません。
サントリーのウイスキー角瓶を、ソーダで割った飲み物、角ハイボールが
若い女性の間で大ヒットしています。
これは、アンゾフの成長ベクトルで言う「新市場開拓戦略」に当たります。
アンゾフの成長ベクトルとは、下記のように、
市場と製品をそれぞれ新規と既存に分け、
それぞれの関係性で戦略の方向性を表したものです。
製品
既存 新規
既存 市場浸透戦略 新製品開発戦略
市場
新規 新市場開拓戦略 多角化戦略
新市場開拓戦略とは、
既に自分たちが持っている製品を
まだ使ってくれていないお客様に使ってもらうようにする戦略といえます。
角ハイボールは、
サントリーが持っているウイスキー角瓶を
今まではウイスキーを飲んでくれていない若い女性に
飲んでもらおうとするものです。
この戦略に至るまでの背景は以下の通りです。
<サントリーの問題点>
・ウイスキー市場の縮小
99年以降10年連続で前年割れ
<外部環境>
・今の若者を中心に、飲みに行っても2軒目にはいかず、1軒目で完結してしまう。
2軒目でウイスキーを飲む機会がない。
・今の若者は、食事と一緒にお酒も楽しむ。
<サントリーの対策>
・女性向け(今まではウイスキーを飲んでいない人たち:サントリーにとっては新市場)に、
飲みやすい形を提案。
<結果>
ハイボール大ヒット。出荷量は前年比14%増(1~11月)
<今後の戦術>
ハイボール樽詰めの導入店を
現在の350店舗から2010年には3,000店に増やす計画。
目的は、チューハイ市場に対抗すること。
せっかく自社が持っている資源を少し加工し、違う市場へ持っていく、
不況の中だからこそこのようなアイデアを出すことが求められるのだと思います。