ビッグボス新庄剛志氏に学ぶ~応援される人になる
プロ野球チーム、北海道日本ハムファイターズの
次期監督に新庄剛志氏が就任することが決まりました。
その監督就任会見が昨日(11月4日)開かれたのですが、
いやぁ~、面白かった。
声出して笑っちゃいました。
監督就任会見をこんなにしっかりと見たのは、
2003年に落合博満氏が中日ドラゴンズの監督に
就任した時以来です。
私がファンの中日ドラゴンズ立浪新監督の
就任会見もチラッと見たぐらい。
この新庄新監督の会見を見ての一番の感想は、
「人が応援したくなる人って、こうだよなぁ」
ということ。
今回のブログでは、その新庄新監督の会見で感じた
「人から応援される人になるためのポイント」
を6つお伝えしていきたいと思います。
ちなみに、就任会見で、新庄氏曰く、
「監督と呼ばないでください。
ビッグボス新庄でお願いします」
と言ってました。
が、本メルマガでは、ビッグボス新庄ではなく、
簡略化のため「新庄氏」として、
お伝えさせていただきます。
まず一つ目のポイント
●ポイント①
「人に嫌な気持ちを起こさせない」
新庄氏の会見を見ていて、
とにかく人を楽しませよう、
という気持ちが伝わってきました。
絶対に人に嫌な気持ちを起こさせない。
例えば、会見に集まった記者からこんな質問がありました。
『北海道に来たら何を食べに行きたいですか?』
いや、これ野球と何も関係ないだろ、
と聞いている私なんか思っちゃったわけですが、
こんな関係ない質問に対しても、
ちゃんと答えるわけです。
「すみれラーメン、
あとは僕の好きなマルセイバター(サンド)も食べたいし、
あとは時計台の味噌コーンバターラーメンも食べたいし・・・」
どこかの政治家が記者に対して、
「そんなのは聞かれるまでもないこと。愚問だ!」
と言っているのとは対照的。
こうした政治家のやり取りを聞いているだけで、
嫌な気持ちになりますからね。
新庄新監督、こんな質問にも
自分らしい答えをしてました。
記者:「今日のファッションのポイントは?」
新庄氏:「新庄剛志自身がファッションなんで、
服装のファッションなんて考えてないですね」
本当に面白い!
●ポイント②
「知らず知らずのうちに人を巻き込んでいる」
記者からこんな質問がありました。
「新庄さんの中で監督というものは
どういった存在でしょうか?」
それに対し、新庄氏、こう答えていました。
「う~ん、イメージ的には堅い。
なんかこうまじめな顔して、
腕くんでやっているようなイメージなんですけど。
これからは、僕が監督像というものを変えていきます。はい。
まぁ、全国のみんなが僕の監督像というものを
作ってくれると思うんで、それを期待したいですね」
あとは、こんな発言も。
「レギュラーなんか一人も決まっていません。
新人、2年目、3年目の選手がキャンプで
ガッと伸びたときに全部若い選手で固めるかもしれないし。
そういった争いをさせたいですね。
ファンのみんなと楽しく、厳しくやっていきたいですね」
「世界一の球団、世界一のチームにしたいですね。
そのためには全国のファンの力はものすごく大事であって。
一人ひとりの笑顔を少しずつ増やしていけたら嬉しいですね」
『あなたと一緒に、あなたの力が必要で』
そんなメッセージで、さりげなくファンを、周りを
巻き込んでいる感じがします。
応援される人って、
当たり前のことかもしれませんが、
自分一人では何もできないということを
自覚している人ですね。
人の力を自分の力に変えられる人なのでしょう。
●ポイント③
「視座が高い」
『日本ハムを変えていきますし、
僕がプロ野球を変えていきたいなという気持ちで
帰ってきました。』
「日本ハムを変えていきます」だけだと
関心を示すのは日本ハムファンだけでしょう。
応援するのも日ハムファンだけ。
でも、「プロ野球を変えていきます」と言われたら、
プロ野球ファン全体が関心を示します。
どんな風にプロ野球を変えてくれるのか、
プロ野球ファンが全体が応援したくなるのでは
ないでしょうか?
自分のチームだけが良ければいいという視座ではなく、
一つ上のプロ野球全体ということを考えている、
そんな印象を抱かせる発言だと思います。
高い視座で「目的」を語る人には、
ついていきたくなるものです。
●ポイント④
「『自分を大きく見せるのと大きく見せない』
のバランスが取れている」
新庄氏:「監督と皆さん、呼ばないでください。ビッグボ~ス!
新庄監督はいらないです。ビッグボスでお願いします」
記者:「なぜビッグボス?」
新庄氏:「バリ島でそう呼ばれていたんで。
僕の人生なんて、そんなもんなんですよ。
そのとき、そのときで勘ピューターで、
こういうふうにしたいというものに、
突き進んでいるだけなんで、まぁ、小学校3年生が、
ちょっと中学生なったぐらいですよね、はい」
ここのくだり、めちゃくちゃ笑いました。
監督就任会見でこんなこと言う人います?
と言いつつ、次のような発言があったり
記者:「新庄監督にとって夢とは?」
新庄氏:「僕ね、夢は5,6個叶えてきてるんで、
もう飽きちゃいましたね。
夢というか、もう、人生毎日楽しいことを見つけて、
それを積み重ねて、どんどんどんどんやってって、
夢は叶ってると思うんで、夢はないかなぁ、今は。」
自分を実力以上に大きく見せすぎる人、
逆に卑下しすぎる人を、
応援したいとは思いません。
●ポイント⑤
「自分をツキのある人間だと思っている」
新庄氏:「僕が帰ってきたからにはコロナはなくなり、
球場は満員になりますよ、そういう運命なんで」
これいいですねぇ!めちゃくちゃいい!
今までの人生で、辛いこと、大変なことも
いろいろあったと思います。
でも、それを「良い経験」と捉えることができ、
好転させてきたのでしょう。
松下幸之助氏が社員を採用する面談で、
聞いていたのが、
「今までの人生、あなたはツイていたと思うか?」
だったそうです。
もし、そこで「あまりツイてはいませんでしたね」
と答える人は不採用だったらしいです。
ツキがあったと思える人は、
辛いことでも「自分にとっての一ついい経験」というように、
良い方に考えられる人だと思います。
どんな経験をしても、自分にとって意味がある、
と思えれば、経験から学ぶことができまし、
過去を引きずることもすくなくなるでしょう。
こうした人の方が、やっぱり応援したくなります。
自分の人生をいつも「ツイていない」と嘆いている人を
応援したくはなりません。
●ポイント⑥
「人間力が高い~躾ができている」
記者:「グローブなどの道具を非常に
大事になされていると聞きました。
監督になられて、そう言ったことも選手たちには、
目を光らせますか?」
新庄氏:「もちろんです。
やっぱり人間性というのは大事であって、
“人の悪口を言わない”、“いただきます”、“ありがとうございました”、
これを言える選手は育てていきたいですね。
僕はちゃらんぽらんにしてますけど、
そういう上下関係とかは、
タイガース時代から、ちっちゃい頃から
親の教育でしっかりしたものを持ってたんで、
そういうものをずっと続けて、皆さんに納得してもらって、
こういう立場に立たせてもらったんで、
選手には日々のプライベートの生活は後に役立つよ、
っていうのは本当に教えていきたいなって思うし。」
(新庄氏の発言をそのまま書いているんで、若干日本語の脈絡が
おかしな感じも受けますが、まぁ、意味は通じると思います)
もう一つ、新庄氏の人間性をうかがわせた箇所がありました。
記者の質問に対して、
的外れだったかなという回答になったときの発言。
「質問とちょっと違った?大丈夫?」
これは本当に人に対する気遣い、優しさがあふれていると思うんです。
自分のことしか考えていない人、
自分の言いたいことを言って終わりの人には
なかなか言えません。
●番外編~プレゼンテーションのコツ
人に好かれるコツではありませんが、
最後にプレゼンテーションのコツを新庄氏の会見から
お伝えします。
会見の中で、個人的に一番興味をひかれたのは、
この発言。
「優勝なんかは一切目指しません、僕は。
高い目標を持ち過ぎると、選手はうまくいかない、
と僕は思っているんですよ。
一日一日地味な練習を積み重ねて、
シーズンを迎えて、それで、何気ない試合、
何気ない一日を過ごして、勝ちました。
勝った、勝った、勝った・・・
それで9月あたりに優勝争いしてたら、
さぁ、優勝目指そうという気合の入り方は違うと思うんで。
そういうチームにしていきたいなと。
優勝なんかは目指しません、はい。」
人が思っていることを真逆のことを言って、
「えっ、どういうこと?」
と関心をひく。
こうしたプレゼンスキルにも新庄氏は
長けていると思います。
そうじゃなければ、40分程の会見を
飽きずに見ることなんてできません。
ちょっと新庄新監督を持ちあげすぎた感もありますね。
でも、本当に会見を見て、
「この人、応援したい!」
と心から思えたのは事実ですから。
来年、日ハム、優勝してほしいなぁ。
既に日ハムのにわかファンとして巻き込まれた感があります。