部下の評価をするときに必要なこと
上司が部下の人事評価をする、
部下育成のためのフィードバックを
面談を通して行う・・・
そのときに大事なことがあるとしたら、
どんなことでしょう?
私自身は、部下の人事評価を
することはないのですが、
クライアント企業さんの
社員教育支援をする際に、
「講師評価」を求められるケースが
そこそこあります。
例えば、10年ほど、新任管理者教育で
携わらせていただいている会社さんがあります。
まずマネジメントの基本を学ぶ研修を実施し、
その後、自身の課題を設定していただきます。
半年ほど、その課題の達成に向けて、
実践をしていただきながら、
月に一度、こちらからのフォロー(実践支援)を
マンツーマンの対面で行っていきます。
その会社さんから、
半年間の研修と実践支援を通した
受講者一人ひとりに対する「講師評価」を
求められるのです。
一人一人の管理者(受講者)に対し評価をし、
それを点数化し、その点数の背景などを
文書としてお伝えしています。
部下の人事評価をする管理職の方々は
共感いただけると思うんですが、
人の評価って本当に難しいですよね。
私が、この講師評価をする際に
意識しているのは、
「事実に基づいて評価する」ということ。
当たり前と言えば当たり前ですね。
でも、この「事実に基づいて」というのが、
なかなか難しいのではないでしょうか?
これは、日ごろから意識しておかないと
できるものではありません。
先ほどご紹介した会社さんでいうと、
1ヶ月に1回支援の時間があるのですが、
その時間内でどんな話をしたか、
どんなことを受講者の方が考えたか、
どのような取り組みをしたのか、
等々とにかくメモをするようにしています。
具体的には、Excelのシートを作成しておき、
その場で記録していきます。
このメモ(記録)がなければ、
管理者教育がスタートしてから半年後に
「事実に基づいた評価」をするのは
私にとっては、不可能なことです。
一つひとつを覚えていることは
私の記憶力では無理ですから。
一つの会社で多い時には
40名ほどの受講者を対象に
評価しなければならない時もあります。
ですから、とにかくメモを残しておく。
人事評価をされる管理職の方々で、
もしも、もしも、評価に苦労されている方が
いらっしゃいましたら、
これはぜひ行っていただきたいことです。
とにかく部下の言動を記録しておく。
とあるクライアントさんには、
管理者の方々に「部下観察日記」と称して、
部下の言動を記録しておくようにしてもらってます。
人事評価の際、
なぜこのような評価をしたのか、
客観的事実で語ることが、
部下の納得感も高めます。
また、評価の結果を受けて、
来期どうすればいいのかも共有しやすくなります。
話は変わるようですが、
元横浜DeNAベイスターズの
牛島監督が以前(今年の10月5日)、
ラジオでこんなことを語っていました。
「監督時代、選手の言動をノートに
書き記してましたね。
あのときにあんな低めの球に手を出してどうするんだ。
ゲッツーになったらあかんやろ。
そんな風に選手に伝えるためにね」
まさにフィードバック面談でのやり取りは
こうあるべきだろうと思うんです。
もちろん、「あかんやろ」という
「マイナス評価」だけではなく、
「○○さんは、こうした場面で、こう行動してくれたよね。
それによって✕✕という成果につながった。
更に言えば、会社の行動指針にある□□に
合致していることでもあるんで、
その点はプラスの評価ポイントにしてあるよ」
という「プラス評価」を伝えることも必要です。
いずれにしろ、事実に基づいて評価し
フィードバックするためには、
その事実を日ごろから記録しておくこと、
これが大事だろうと思います。