コラム - 仕事のルール

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仕事のルール

論理と使命と情熱と・・・

『2029年、トヨタ自動車と
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが開発する
日本の探査車「ルナ・クルーザー」が
宇宙飛行士を乗せて走ろうとしている』



そんな記事が2021年6月9日の日本経済新聞に
載っていました。


「ルナ・クルーザー」、


約280度の寒暖差に耐えられ、
放射線にも耐えられるとのこと。

動力源は水素を使った燃料電池で、

総走行距離は1万2,000㎞。


それとすごいのが、
乗組員が宇宙服を必要としないこと。


月面を人類が走行する日が間近に迫っているんですね。


(都市伝説かもしれませんが、
 個人的にはアメリカの月面着陸は、
 捏造だと思っているのです・・・(^_^;))




この新聞記事のなかに、
仕事をするうえで大切なことが書かれていました。

今回は、この“大切なこと”について
お話をしたいと思います。



この記事によりますと・・・

この月面を走行する「ルナ・クルーザー」の開発を
企画・提案したのは二人の若き技術者でした。


ひとりは、JAXAから「研修制度」で
トヨタに出向していた技術者。

もうひとりはトヨタの若手技術者。


この二人が仲間を募りながら、

トヨタの未来のサービスやビジネスモデルを企画・提案する
FSC(フューチャー・シナリオ&コンセプト)活動での
採用を目指したとのこと。


役員への最初のプレゼンテーション・・・


「月面の探査車をトヨタが開発すれば、

地球上での技術の向上につながる。

ブランドイメージのアップにもつながる。

様々な効果がある!」

と、探査車開発のメリットを力説。


しかし、最初のプレゼンテーションの結果は、

「不可」。


役員からはこういわれたそうです。

「やったほうがいいのは分かった。

しかし、開発に人材をさくからには、

やったほうがいい、ではなく、

トヨタがやらなければならない理由は何か?

それを示せ」




なるほど、と思わされました。


仕事においては、何かを提案する際、

「これを行うメリットとデメリット」、

「長所と短所」

を示し、

そして、なぜメリットになり得るのか、
なぜ効果が期待できるのか、

その背景・理由をデータ・事実・事例などで
明示する、

という論理的な思考が求められます。



この提案を実施したら、

これだけ集客できる、

こんな好印象をもってもらえる、

原価を低減できる、

なぜならば、このようなデータ・事実・事例があるから、

逆にデメリットとしては、
こんなことはあるが、
それはこうしてカバーしたい。

なぜなら・・・

というように。


しかし、トヨタの役員曰く、

論理的に訴えるだけではなく、
それを超越したものがある、
それを示せ、

というわけです。


「やりたい・やりたくない」
「やったほうがいい・やらないほうがいい」

なんてものではありません。


「やらなければならない理由」、

もう少し大げさに表現したら、

「常識で考えたらやらない方がいいのは分かっている。
しかし、それでもやらなければならない理由」

という感じでしょう。


一言でいえば、「使命」。


私は、使命とは、こんなふうに考えています。


「やりたいとか、やりたくないとか、
自分の意志に関係なく、
やらざるを得ないと感じること。

どちらかと言えば、本当はこんな面倒なことやりたくない。

けど、もし自分がこれをやらなかったら、
目の前の人が、この組織が、この会社が、
この国が、この世界が、ダメになってしまう。

だからやらざるを得ない

ぐらいに感じるもの」。


トヨタの役員が言う
「やらなければならない理由を示せ」とは、

「トヨタが月面探査車を開発しなかったら、
この国が、この世界がダメになる」

そんな理由を示せ、ということだと思います。


こういわれた、この2人の若手技術者は、

JAXAと話し合い、国際協力の中で日本が
何を求められているのかを検討。

トヨタの技術があれば、
日本が探査車で国際的な貢献ができること
を示したとのことです。


当時の副社長に15分間の企画提案する機会を得て、
5分で「よし、やろう」と即決してもらったそうです。


提案するときには、
メリットや効果を論理的に伝えるだけではなく、
「使命」という側面からも伝える。


それと、この若手技術者を突き動かしていたのは、

「別の会社の車両が月を走っているのを見たとき、
一生後悔するだろうなと思う」

という感情だったようです。




仕事には、

論理だけではなく、情熱も必要であり、

そして、

使命感が必要なのでしょう。


論理的かつ情緒的な提案を超越した
使命に訴える提案、

私もこれを目指したいと思います。


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