コラム - 仕事のルール

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仕事のルール

侍ジャパンに学ぶ~目的と目標と手段と背景と

WBC、侍ジャパンは残念でしたね。
連覇ならずでした。

連覇はなりませんでしたが、今回のWBCは、
どの試合も楽しませてもらえましたし、
あの戦いぶりには感動させられました。

侍ジャパンのメンバー、
裏方さんも含めて感謝です。

日本の試合だけではなく、
韓国対オーストラリアも
決勝戦のアメリカ対ベネズエラも
興奮させられました。

しかし、ベネズエラは強かったですねぇ。

感情をむき出しにして闘う姿が
なんとも印象的でした。

やはり短期決戦の場合は、
冷静さも当然必要なんでしょうけど、
熱くなることも必要なのかな
という気になりました。

もしも、もしも、ですが、
ベネズエラ戦の1回裏大谷翔平選手が
同点のソロホームランを打ったとき、
熱く、感情を発散させた姿を見せていたら、
展開が少し変わったのかなという気もしたりして・・・

前回大会のメキシコ戦の9回で
サヨナラのきっかけとなった2塁打を
打った時のように。

あくまでもたらればの世界です。

前置きが長くなりました。

今号は、前号の続きとして、
「目的と目標との関係性からの
目標と行動(手段)の正しい設定方法」
をお伝えします。


前回(3月13日号Vol.558)では、
「他者視点の目的が人を強くする」
というタイトルで、
以下の内容をお伝えしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「目標を通過点にする。
『目標達成』を最終的なゴールにしてはいけない。

その先にある『目的』を目指す。

ただし、目的は自分視点ではなく、
他者視点(人のため、社会のため)で
描く必要がある。

他者視点の目的を明確にし、
それを目指すことで、
通過点である目標に向かう行動力が高まり
目標も達成しやすくなる」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

企業において言えば、
売上目標、利益目標、生産性目標、良品率目標等
いろいろあります。

その目標達成の先の目的を考える。

何のために売上を上げるのか、
何のために利益を出すのか、
何のために生産性を上げるのか・・・

そして、それをチーム内で共有し、
共通の目的にすることで組織力は高まります。

その「目的と目標との関係」、
「目的・目標と手段の関係」をどう捉え、
どう描いたらいいのか、
今回は、そのポイントについてお伝えします。

一番のポイントは、
「物事は目的と手段の連なり」と
考えることです。

WBCの侍ジャパンを事例に考えてみましょう。

【ステップ①:
目的と手段の関係性をより細かく描く】

侍ジャパンにとってWBCに出ることは
目的ではありません。手段です。

出ることが手段だとしたら、
何のために出るのか、その目的は何でしょう?
WBCで勝つことが目的になります。

ちなみに、白井一幸氏が前回大会でコーチを務めた際、
選手に「WBCに出る目的は?」と聞いたら
多くの選手が「優勝することです」と
答えていたそうです。

これが間違いではありません。
ただ、それを通過点(手段)にして、
更にその先の目的を目指そう、
ということなのです。

では、なんのために勝つのか?
勝つことの更に先の目的は何か?

菊池雄星選手が語っていたところによれば、
「野球をやってみたい、プロ野球選手に
なりたいという子供を増やすため」でした。

目的と手段の関係性で図に表すとしたら、
こうなります。


この目的と手段の関係性を
もっと細かく描くとしたら、
こんな感じでしょうか。
(私の解釈も入っています)

WBCに出て、勝つことで、
日本野球のレベルの高さを世界に示す。

日本野球のレベルの高さを
示すことで感動を与える。

感動を与えることによって、
野球への関心を高める。


【ステップ②:
自分たちの責任において、
上位の目的を実現できるだけの成果を目標とする】


日本の野球レベルの高さを示し、
感動を与えられるだけの成果(勝つ)は
どのレベルか、と言われたら「優勝」であり、
それが目標となります。

目標とは、
『上位の目的を実現できるだけの出すべき成果』
です。

そう考えると、目標は目的がなければ
明確化できないと言えます。

ここでいう明確化とは、
「達成すべきレベルを決める」
ということです。

WBCで勝つといっても、
一つ勝つレベルでいいのか、
優勝のレベルなのか・・・

目的が明確になっていなければ、
このレベルを決めることができないはずです。

更に言うと、『自分たちの責任において、
上位の目的を実現できるだけの出すべき成果』
となります。

侍ジャパンの場合、自分たちの責任での
出すべき成果はやはり「WBC優勝」となります。


【ステップ③:
上位の目的から外れることなく、
目標を達成できる手段を考える】


優勝するためにはどうしたらいいか?
様々な手段が必要でしょう。

しかも、大事なのは、単に優勝すればいい、
というわけではなく、
上位の目的が実現できるだけの
手段でなければなりません。

感動を与え、
野球に関心を持ってもらえるような手段。

その答えの一つが、侍ジャパンの場合は、
「WBCでの全力プレー」だったのだと思います。

当然、勝つためには他にも
いろいろな手段が必要にはなります。

白井一幸氏が強調している、
メンタルを鍛えること(考え方を変えること)も
必要でしょうし、

投手と野手の連係プレーなどテクニカルの
強化も必要でしょう。

フィジカル面(体調面)を整えることも
当然大事な手段でしょう。


【ステップ④:背景情報を整理する】

そもそも、なぜ子供たちに野球への関心を
持たせたいのか?

その背景としては、
「日本の野球人口が減っているから」
ということが挙げられるでしょう。

これを整理できると、
なぜこの目標や目的を目指す必要があるのかを、
客観的事実として示すことができ、
共感を得やすくなります。

できたら、背景の情報は
具体的な事実・データで示すことが求められます。

例えば、
「高校野球の部員数は2025年度で11年連続減少
日本高野連は125,381人と公表している」
出典:日本高野連Webページ「2025年加盟校部員数調査結果」

「NPBなどの調査でも、
小学生の軟式・硬式野球の競技人口減少
というように。

なお、ステップとしては④としてありますが、
従来からこの経営環境の変化は、
整理しておく必要があります。

本来であれば、ステップ⓪といってもいいでしょう。


以上、WBCの侍ジャパンを事例に
目的と目標と手段と背景の関係性の描き方を
お伝えしました。

企業の「売上を上げる」でいえば、
目的:「なぜ、売上を上げる必要があるのか」
目標:「その目的を達成できるだけの
 売上高レベルはどれだけか」
手段:「その目的を実現し、
 売上目標達成に向けて何をすべきか」
背景:「そもそもどのような環境変化があるから
 この目的・目標を目指し、
 この手段を取る必要があるのか」
を考えることになります。

売上目標達成の目的には、
「お客様により高い価値を提供するための
 資金を得るため」
「社員とその家族を幸せにするための
 資金を得るため」
等があるはずです。

この他者視点の目的がなければ、
何をやってもいいから(手段なんてなんでもいいから)
「とにかく売上上げろ!」
「売上目標死守だ!」
となってしまうわけです。

たとえ社員が不幸せになるような手段を取ってでも・・・

だからこそ、他者視点の目的を持って
経営にあたることが重要なのだと思います。

「目標を通過点にする」

目的なき目標は、単なるノルマです。


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