働き方改革のキーワード~「本音を共有する」
昨今、「働き方改革」を合言葉に、
業務の効率化、生産性の向上が叫ばれています。
業務効率化、生産性向上のために、
IT技術を駆使して、また勤務形態を見直して、
ということもあります。
が、私は、それと併せて、
やはり「組織力の向上」が
業務効率化、生産性向上には
必要だと思うのです。
一人で頑張って効率化、生産性向上を
実現しようとするのではなく、
みんなの力で協力し合って実現する。
その「組織力」を高めるために、
何がポイントかと聞かれたら、私は迷わず、
「メンバー間での情報共有」
と答えます。
情報共有を図る
↓
組織力を高める
↓
業務効率化・生産性向上
を実現する
ってことですね。
どんな情報を共有したらいいのか?
まずは、誰が、どんな仕事を、
どれだけ抱えていて、どんな点で
苦労しているのか、等の情報共有は
必須だろうと思います。
どのようにこのあたりの情報を共有するか、
という話は、改めてさせていただくとして、
今回のブログでは、意外な情報共有で、
組織を活性化させ、働き方改革を
実現しようとしている課長さんの
お話をご紹介したいと思います。
45歳の課長さんです。
男性で、部下は女性も含めた5人。
まず、どのような情報を共有しようとしているか、
といいますと・・・
仕事に絡む情報ではありますが、
でも、ちょっと違った観点での情報。
例えば、「10年後、どうなっていたい?」とか、
「周りで尊敬できる人は誰か?」というような
テーマに基づいてメンバー間で意見を
伝えあうということなのです。
その課長さん曰く、
「業務を離れた形でざっくばらんに
本音を引き出したい。
そうした本音がお互いに語れて、
分かり合えることで、
組織活性化につながるし、
本当の意味での情報共有になると思う」
とのことです。
どのように行っているかといいますと・・・
朝、週に1回の頻度で、15分から20分の時間を
使い、語り合っているそうです。
元々その職場では、「朝会」というものが
開催されており、
その時間の中で行っているとのことで、
新たにこうした語り合う場を
作ったということではないようです。
で、その場では、お互いの発言内容に
質問をしたり、アドバイスをしたりして、
お互いの考えを共有していくとのことです。
例えば、「10年後どうなっていたい?」
というテーマに対し、
「頼られたい。頼られる人間になりたい」との
答えがメンバーからあれば、
課長さんはじめみんなで、
「具体的にどういうところで一番頼られたい?」
「今、頼られたいと思うのはどんなとき?」
「頼られたいのは、そもそもなんで?」等の
質問を投げかけて、
深いところに突っ込んでいく。
こうした質問ができれば、
かなり本音が聞けると思います。
「周りで尊敬できる人は誰?」という
テーマであれば、
Aさん:「身近で言えば○○さんかな」
課長:「○○さんのどういうところが
尊敬できるの?」
Aさん:「説明が上手なんですよ。
すごく分かりやすい」
Bさん:「分かりやすいと感じるのは、
どんな点から?」
Aさん:「常に結論を想定して、
話をしてくれている感じがします」
Cさん:「なるほど、確かに○○さんは、
上手だよね。相手のレベルに合わせて
話してくれるし。
で、結論を想定してって、具体的には
どんな風なの?」
というように。
こうした類のテーマを
就業時間内で真面目に
話をすることはなかなかないことですよね。
みんな忙しいし・・・。
だからこそ、同僚の意外な面が
見えてくるのでしょう。
そして、それの意外な面を
情報共有することで、
組織の力が発揮でき、
業務効率化になると思うのです。
なお、事前にどんなテーマで
話をするかはメンバーに伝えていないそうです。
これは非常にいいことだと思うんです。
「事前に考えてこい」ってことで、
部下の負担を増やす必要ないですから。
部下が負担に感じたらいい方向に行きません。
負担なく、楽しい時間だと
思ってもらえることが大事です。
この活動を始めたのが今年の1月で、
現段階での成果は、その課長さん曰く、
まだまだ不確かとのこと。
ただ、今までなんでもかんでも
相談してくる部下がいたそうですが、
その部下が、自分で考えて報告をするように
なったと喜んではいらっしゃいました。
きっと、こうした取り組みで、
お互いの業務に関わる情報以外の「考え」の
部分が共有できたら、きっと大きな成果に
つながると思います。