いま、話題のマネーボール理論~人は○○の通りに動く
●マネーボール理論とは・・・
マネーボール理論というのをご存じでしょうか?
本は2003年に出版されており(日本語版は2004年)、
このたび、ブラッド・ピット主演で映画化されて、話題になっています。
昨日(11月4日)のワールドビジネスサテライトでは、
このマネーボール理論が経営に活かせる、ということで、
実際にマネーボール理論的な取り組みをしている会社がいくつか紹介されていました。
(決して、その企業がマネーボール理論をヒントにして、
新たな制度を導入したということではなく、
マネーボール理論の内容と同じ取り組みをして、
業績が伸びている、という紹介のされ方でした)
マネーボール理論とは、
メジャーリーグ、オークランド・アスレチックス(松井秀喜が在籍)のビリー・ビーンGMによって
提唱された理論です。
●打点は重視しない、出塁率で評価する
その中で有名なのが、「独自の評価尺度で選手を評価する」というもの。
一般的には、選手の評価は、
ホームランの数や打点などでなされるケースが多いのですが、
マネーボール理論では、
『出塁すれば勝てる。
出なければ負ける(だから出塁率の高い選手を高く評価する)』
との考えのもと、打者に関しては、「出塁率」を最も重視し、
それによって選手を評価します。
打点は重視されません。
その理由は、「状況によって変わりやすいから」とのこと。
またピッチャーは、勝ち星の数や防御率は重視されず、
三振の数、フォアボールの少なさが評価の対象になります。
こうした評価基準を変えることで、選手の行動が変わり、
2000年代前半には、4年で3度の地区優勝を遂げるチームとなったのです。
(もっとも最近は、2007年には9年ぶりに負け越し、
2009年には11年ぶりに地区最下位に転落するなど、
低迷しているようですが・・・)
●契約の数は重視しない、訪問回数で評価する
マネーボール理論と同じく、独自の評価基準で、
成功している企業として紹介されていたのが、
滋賀県にある「びわこホーム」。
従来は、契約数が評価基準で、契約が決まれば決まるほど、
もらえるが金額が増える歩合給制度が採用されていたそうです。
が、それでは、チームワークが保てないとの危機感から、
評価の対象を
・訪問の回数
や
・お礼状の枚数
などに変えたとのこと。
それによって、8年連続で地域一番店を実現できているようです。
●人は評価される通りに動く
上記のマネーボール理論、びわこホームの事例から言えるのは、
『組織のおいて、人は評価される通りに動く』
ということですね。
出塁率が評価対象になれば、いかに出塁をするかを考えて、そのように行動するし、
訪問回数で評価されるのであれば、訪問数をいかに増やすかを考え、そのように行動します。
だから、何を評価対象にするかによって、
社員の人たちの行動を決めてしまうと言えるわけです。
ある意味恐ろしいです。
自分たちの組織は何を大事にしているのか、
その大事にしていることを行動させていくためには、何を評価してあげればいいのか?
「チームワーク」を大事にしたいのであれば、
「チームワークを高めるための行動」を促す評価基準を設ければいいのです。
それをしっかり考えて評価基準を設ける必要がありますね。