コラム - マーケティングのルール

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マーケティングのルール

なぜ、デニーズは復活できたのか?

私、仕事の資料を作ったり、事務仕事をしたりするときには、

よくファミリーレストランや喫茶店を利用します。

事務所で一人パソコンに向かっていると、なんか集中ができなくて、

全然効率が上がらないんです。

が、一旦、ファミレスや喫茶店に入ると、なぜかめちゃくちゃ集中力が高まり、

さくさく仕事がはかどるわけです。

効率は事務所にこもって一人で作業しているときの3倍ぐらいは

高いんじゃないかって感じです。

下手したら10倍ぐらい違うときもあったりします(汗)。

で、その仕事をするためのファミレスとしてよく使わせてもらっているのが、

「デニーズ」なのです。

実際、このブログを書いているのもデニーズですし・・・。

なぜ、ファミレスの中でもデニーズかというと、

理由は近いからってだけだったりしますが・・・。

そのデニーズ、最近、なんかすごく雰囲気が良くなってる気がします。

正直、3年前のデニーズはひどかった。

店員の対応は遅いし、態度は良くないし、ってことで。

ところが、ここ数か月間、妙に“ええ感じ”なんです。

3年前に比べたら、お客さんの数も増えている気がします。

なんとなくそんな気がしますってことでは、

コンサルタントが書く文章ではないんで、

ちゃんと数字で示したいと思います。

以下、デニーズのHPから抜粋した数字。
(※レストラン事業部だけでなく、
  コントラクトフード事業、ファストフード事業を含む

 ※決算期間3月1日~2月28日)


          売上高       営業利益      経常利益
平成21年度 85,886百万円   ▲2,714百万円   ▲2,465百万円
平成22年度 79,610百万円   ▲  89百万円     112百万円
平成23年度 77,400百万円      23百万円     204百万円
平成24年度 77,707百万円     869百万円    1,044百万円
平成25年度 78,113百万円     830百万円     991百万円

レストラン(デニーズ)事業部だけの売上高でいうと、

平成20年度 84,109百万円
平成21年度 68,394百万円
平成22年度 63,668百万円
平成23年度 60,821百万円
平成24年度 61,011百万円

となります。

(※平成25年度の数字が見当たりませんでした・・・。)


こうしてみると、売上高は平成21年度と比べると、70億円ほど減っています。

デニーズだけでは、平成20年度と24年度で、230億円ほど減っています。

が、営業利益額と経常利益額は随分と増えていますね。

営業利益率でいうと、平成21年度が、▲3.16%なのに対して、

平成25年度は、1.06%。

売上は上がっていないけど、利益率は改善されています。

で、客数は増えているかと思いきや、平成24年度までは減っているんです。

(平成25年度の数字は、すみません、見当たりませんでした)


        店舗数  1店舗当たり
     売上高  売上総利益率 客数   客単価
平成20年度 959店   141百万円   66.5%   ▲1.4%   ▲5.1%
平成21年度 892店   132百万円   67.3%   ▲2.1%   ▲5.2%
平成22年度 846店   130百万円 68.3%  0.7% ▲0.2%
平成23年度 486店   125百万円 68.3% ▲2.6%   1.6%
平成24年度 476店   128百万円 69.0% ▲0.7%    1.5%

平成26年7月現在 469店

1店舗当たりの売上高も減っている。

とにかく利益率を改善し、筋肉質の会社にしようという

方向性は出ていますね。


利益率はかなり改善されてきつつありますが、

まだまだ私が肌感覚で感じている“劇的な復活”というところまでは

数字的には至っていない感じではありますね。

私、間違いなくデニーズは今後、復活すると思っております。

ちなみに、過去にも予言しております。

「小売業再生のエキスパート、大久保恒夫氏~小売業成功の3つのポイント」

http://ameblo.jp/consul-k-ui/entry-11050730929.html


平成23年5月に就任した大久保恒夫社長。

成城石井を復活させた人で、

この人は、間違いなく復活させるだろうと思っていたんです。


で、私が、よく行くデニーズで一番変化を感じいる点は次の点。

「ホールスタッフ(いわゆるウェイトレスさん)が、客と話をすることが増えた」ってこと。

例えば、どういうことかというと、

「あらぁ、今日は早い時間にいらしたんですねぇ~」とか。

最初は、その風景を見て、

『この店員さんとお客さんは、私生活で知り合いで、

だから、こんな風に気安く声を掛けているんだろうなぁ』と思っていたんです。

ところが、それ以外でも声を掛けていて、どうもお店外で知り合いってことでもなく、

純粋にお客さんと店員という関係で、こうして声を掛けているようなんです。

私も先日、仕事で、パソコン打ちながら、水のお代りをした際、

「先日、お子さん連れていらっしゃってましたよね。いつもお仕事されているんで、

ひょっとして違う人かなって思ってたんですけど、そうですよね」って声を掛けてもらいました。

なんだかこれはこれでうれしいもんなんですよね。

デニーズが、大久保社長になってから、どんな戦略を打ち出したのか、

しっかりと研究をしてみたくなりました。


このように店員さんがフレンドリーに対応するようになったのは、

マーケティング戦略的に言えば、

ターゲットを「近隣住民」としたのではないかと考えています。

もっと近隣の人たちと人間的なつながりを持って、

親しみやすい店舗を目指しているんじゃないかと。

利益率が改善しているのも、親しみやすい他の飲食店にはない雰囲気があるからこそ、

多少金額が高くても行ってしまう。

そんな構図があるからなのでしょう。

大久保社長の価値観がこうしたところに現れていると思います。


ただ、お店に入ると、8割方「禁煙ですか?喫煙ですか?」って聞かれます。

正直なところ、こんだけ通っているんだから、

いい加減覚えとけよ、って思ってしまいます。

(今日も、そうでした・・・)

このマニュアル的な声がけが、私に対してなくなったとき、

デニーズが本当の意味で復活したときだろうと、

思いっきり上から目線で思うのでした・・・。


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