プロなのに“ただ”で仕事を頼まれた・・・
先日、ある美容系の技術を活かして独立をした20代の女性と
話をする機会がありました。
あまり詳しくは書けませんが、
いろいろお話をする中で、その女性、こんなことをおっしゃっていました。
「友達とか知り合いの人から、ただ(無料)でやってって
言われることがあるんですよねぇ~。
でも、こっちとしてはプロとして独立したんだから、
ただではやりたくないじゃないですかぁ。
能力を軽く見られているって感じもしちゃうし・・・。
あんまりこういう話は受けたくないですね」。
確かにプロですから、こうした心意気は大切だと思います。
私なんか独立した当初、どんな仕事でもなんでもやります、って
ぐらいの気持ちでやってたんで、ある意味この女性に
畏敬の念を抱いちゃいました。
独立当初、正直、ただ(無料)だろうが何だろうが、
仕事を依頼してくれる人がいれば、
もうホントうれしかったですからね。
もちろん、今でもお仕事いただけたら、めちゃくちゃうれしいです!
まぁ、私のことはさておき、この女性の発想、
ちょっともったいないなぁと残念にも思うんです。
プロとして実績も十分にあり、周りもプロと認めている人であれば、
「ただでお願いされる」のに抵抗を感じて当然でしょう。
が、この女性の場合、まだ実績らしい実績、ほとんどないんです。
独立してまだ1か月そこそこでしたから。
で、独立した人にとって、まず何が大切かって言ったら、
実績を作ることなんです。
しかし、その実績を作るのが、独立当初、難しいんです。
なぜなら、実績のない人のところに、なかなか仕事を頼まないですからね。
だけど仕事を頼まれなければ、実績はつかない。
これがパラドックスなわけです。
仕事を得るためには実績が必要。
でも、実績がなければ仕事が得られない。
その実績を作るためには仕事が必要って。
この女性の場合、幸いなことに、
友達から「ただで」ってことではありますが、
仕事を頼まれているんです。
これ、チャンスですよね、実績作る。
ただし、大事なことがあります。
ただでやりました、喜ばれました、自分なりに実績を作れました、
ってことでは意味がないんです。
ただで仕事を受けるなら、依頼してきた相手に、こう伝えるのです。
「ただでやってもいいけど、今回だけね、一応、私もプロだから。
で、今回ただでやるんで、一つお願いを聞いて。
『お客様の声』ってことで、私の仕事について感想を書いてほしいの」と。
ただでお願いした手前、相手の人も断れないでしょうし、
さらにネガティブな内容を書くわけにもいかないはずです。
こうして「お客様の声」が得られれば、それをHPなり、ブログなり、
FacebookなどのSNSに載せていけばいいんです。
それが仕事を得るための実績になります。
お金が得られないのであれば、その代わりに「お客様の声」を得る、
そんな発想をすれば、ただでも仕事やらせてくれって、
ことになるかもしれません。
もちろん、ずっとただでやるわけではありません。
独立当初だけです。
プロとしてのプライドも大切ですが、独立当初は、どんな仕事でも請ける、
お金が思うようにもらえないのであれば、
その請けた仕事から、お客様を獲得するうえで、
とにかく大事な「お客様の声」を得る、
そんな風に考えてもいいんじゃないかと思うのです。
自分の意に沿わないことであったとしても、
そこから何かを得ようと頭をひねることは、
ビジネスマンにとって大事な思考パターンではないでしょうか。