買上個数を上げるには、お客様との○○を増やす!
●居酒屋で飲み過ぎるのは・・・
あなたが、例えば、居酒屋で、
いつもよりビールをちょっと多く頼んでしまった、
つい料理を一品、多く注文してしまった、としたら、
どんな理由からですか?
一緒に飲んでいる仲間が楽しく、場が盛り上がっていたから、
というのは一つあるでしょう。
それだけでなく、私の場合は、店員さんの愛想が良く
(決して可愛い店員さんということではないですよ)、
その店員さんとの話が弾んでしまったから、という理由があったりします。
そんなときは、ついつい、「あぁ、じゃあ、もう一杯!」って
頼んでしまうわけです。
まぁ、傍から見ていたら完全に「オヤジ」ですね。
ちゃんと自覚はしています・・・。
これ、決して居酒屋だけではないです。
よく仕事をしているとヤクルトレディーが売りに来るんですが、
その人の愛想がよく
(決して可愛いヤクルトレディーだからということではないですよ)、
会話が弾むとまではいかないまでも、
商売っ気を出すわけではなく、
なんかにこやかに話をしてくれたりしたら、
つい「じゃあ、タフマン2本ください」と
なってしまうこともしばしばなんです。
●宅配+三河屋さん
東急電鉄グループの新サービスに「東急ベル」というのがあります。
東急電鉄系の宅配スタッフが、
玄関先で頼みごとを聞く「コンシェルジュ」となり、
グループの様々なサービスの提案をするというサービス。
簡単に言えば、宅配便のセールスドライバーが、
単に荷物を配達するだけではなく、
三河屋さんのようになって、「何かお困りごとはありませんか?」と
御用聞きをするというものですね。
ちなみに、「東急ベル」では、セールスドライバーとは呼ばず、
「ベルキャスト」と呼ぶらしいです。
例えば、子供のスポーツの遠征用バスについて相談したら、
グループ内の東急バスで見積もりを出すなど、
グループの総力でお客様のお困りごとを解決していきます。
で、この新サービスの内容云々よりもポイントは、次のこと。
「ベルキャストとお客様との会話の回数が多いほど、利用率が高い」。
半年前からの実証実験で、明らかになっているとのことです。
接触頻度が高い、そして会話の量が多いと、お客様は、
財布のひもを緩めてしまうのです。
居酒屋の「オヤジたち」に代表されるように・・・。
●売上を変えるのは、最前線のコミュニケーション力
どれだけお客様と多くの会話が出来るかが、
お客様の買上数量に影響する。
ということは、簡単に言ってしまえば、売上を上げるには、
お客様と接する最前線の人たちのコミュニケーション力を
高めればいいということになります。
ただし、会話をたくさんすればいいというわけではありません。
お客様の顔色をうかがいながら、ひくべき時はちゃんとひける、
お客様に嫌な気持ちを起こさせない、楽しい気持ちにさせられる、
そんなコミュニケーション力を教育していくことが、
求められます。
また、ただ単に楽しい会話を多くするだけでも足りません。
「お客様が気付いていなかったニーズに気付かせられる」
そんなコミュニケーション力・提案力が求められるのです。
楽しい会話の中で、
お客様に、「へぇ、それおもしろいね」とか、
「あっ、そんなこともできるんだ」と、言わせられれば、
買上数量は高まっていくはずです。
ちなみに、売上を表す公式は、以下の通り。
売上=客数×客単価
・客数=新規客数+既存客数
・客単価=商品単価×買上個数
10人のお客さんが来て(客数)、
それぞれが、1万円(商品単価)の商品を、1個買えば(買上個数)、
10人×1個×1万円=10万円の売上ということ。
これから考えると、売上を上げる方向性は、
①新規のお客さんを増やす
②既存のお客さん(リピーターの来店回数)を増やす
③より多くの商品を買ってもらう
④商品の値段を上げる(もしくはより高い商品を買ってもらう)
の4つがあることになります。
今回ご紹介した「東急電鉄のベルキャスト」は、③の
より多くの商品を買ってもらう、に該当します。