コラム - マーケティングのルール

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マーケティングのルール

もしも東京出身のサラリーマンが東北で農業を始めたら?

東京千代田区の日比谷図書館が、半世紀ぶりに大改装を経て、今月4日オープンしました。


2011年11月18日「ワールド・ビジネス・サテライト」より


●もしも脱サラして農業をするとしたら?

五つの民間企業が運営を千代田区から委託され、新たな取り組みがなされているようです。


たとえば、

展示の仕方として、「人」が「あること」をしようとしたときに、

必要になる本がストーリー仕立てで展示してあるというもの。


仕事セクションでは、「もしも東京出身のサラリーマンが東北で農業を始めたら?」

というタイトルで、サラリーマンが脱サラして、

東北で農業を始めるのに必要になる情報が順番に集められるよう書籍が展示してあります。


農業技術だけでなく、脱サラ後の税金申告の仕方などなど・・・。


●マーケティング的に言えば

マーケティング的な観点で言えば、秀逸なのは、

①ターゲットの特定と場面の特定

②ストーリー仕立てでワンストップでの情報収集

ということですね。



●ターゲットを絞り込むということ


この「東京出身のサラリーマンが東北で農業を始めたら?」というのは、

かなりターゲットも場面も絞り込まれていますよね。


大震災の関連で「東北」に注目が集まっているからかもしれませんが。

それはさておき、こんなふうに考える方もいるかもしれません。


「脱サラして、しかも東北で農業やろうという人なんてそんなにいないのでは?」

「そんな絞り込んでしまったら、そのコーナーに集まる人なんてそんなにいないのでは?」

と。


もちろん、本当に東京出身で脱サラして東北で農業を始めようと言う人であれば、

ドンピシャでストライクとなって、このコーナーに来るはずです。


では、そのドンピシャの人以外はこのコーナーに来ないのかと言えば、

決してそうではないでしょう。


農業ではなくても脱サラしようと考えている人、

東北に興味のある人、

東北とは言わなくても定年後に農業を趣味でやりたいと思っている人

などなど。


そんな人たちにとっても、自分にとって必要な情報が集めやすいと感じたりするものです。



ターゲットを絞り込めば絞り込むほど、そのターゲットに必要な情報が明確になり、

提供する方はよりお客様のニーズに合ったものを提供できるようになり、

お客様側もより自分が欲している情報を得られるということになるのです。



●ストーリで訴求する


たとえば、スーパーマーケットで言えば、

主婦が夕食にカレーを作ろうとしたら・・・。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参などの野菜があって、

お肉があって、当然ながらカレールーが置いてあって、

ひょっとすると隠し味として使用できるようなコーヒーがあって・・・。


と、人が何かをする「場面」を切り口にして、その「場面」に必要になるものを

関連させて陳列する。その場に行けば、その「場面」に必要がものが一式揃う。


関連陳列ってやつですね。


脱サラして、東北で農業を始めようという「場面」を切り口にして、

そこで必要な情報がワンストップで揃うというわけですから。


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