コラム - 経営のルール

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経営のルール

祝工藤新監督就任~工藤新監督に学ぶ組織マネジメント①

中日ドラゴンズの新監督に、
工藤公康氏が就任しました。

中日ファンの私としては、
もう、期待しかありません。

ものすごくワクワクしてます。

2003年に落合博満氏が監督に就任したときと
同じくらい興奮してます。

落合監督のときは、
キャンプインしてからの発言を聞いていて、
コーチング的な発言が多く、
「今年は優勝する」と思っていました。

今回の工藤監督は・・・

就任会見での発言や、
選手たちへの訓示を聞いていて、
「これは来年、優勝する!」
と思っております。


ただ、あまりにも選手たちが
勝つことに慣れていないので、
その点は2004年とは違いますかね。

あと心配なのは、
工藤監督が成果を上げたソフトバンクと
中日とでは、選手を育成する環境が違い過ぎる
ということでしょうか・・・

ソフトバンクは選手の育成に
お金をかけてますから。

いや、でも、きっと工藤監督なら
選手の意識を変えて、
今のぬるいチームの雰囲気を変えて、
成果を出してくれるはずです。

そう信じてます。

で、この期待感は、
単に工藤監督のソフトバンクでの7年間で
3度のリーグ優勝、5度の日本一という
実績から来ているわけではありません。

就任会見での発言を聞いていて、
「工藤監督、組織マネジメントを
勉強されているなぁ」と感じているからです。

私なんかが言うのも、おこがましいですが、
工藤監督、野球のことだけではなく、
組織論やマネジメント論について
相当勉強されているのではないかと思います。

そして、単に知識として
身につけているだけではなく、
実践を通じて自分自身の信念にまで
昇華されている方なのではないかと思います。


「名選手、名監督にあらず」と
よく言われます。

選手としては名を馳せながら、
監督としては成果を出せない人が
多いということなんでしょうけど、
なぜ、そうなるのかといったら・・・

私が思うに、その理由の一つは、
組織マネジメントを学ばずに
監督を引き受けるからだと考えています。

組織マネジメントを学ばず、
選手としての能力と
監督として求められる能力の違いを
十分に認識しないまま、
監督を引き受けてしまう。

その結果、自身が選手時代に培った技術を
監督として一生懸命選手に指導してしまう。

名選手は自分の技術に
自信を持っているはずですから、
どうしても技術的指導をして
教えたがってしまうのでしょう。

その点で、工藤監督は、
「名選手、名監督にあらず」は
当てはまらないと思います。


選手として求められる能力と
監督としてチームの成果を出すために
求められる能力は違います。

これは一般企業でも同じ。

管理者には、
担当者とは違う能力が求められます。

担当者のときに
成果を出すために求められるのは、
専門知識や仕事の技術、
いわゆるテクニカルスキルです。

管理者になれば、テクニカルスキルよりも、
コンセプチュアルスキルの重要性が
高まります。

組織全体を捉え、ビジョンを描き、
様々な環境変化から戦略的に課題を創出し、
課題をクリアして、成果を出し続けていく、
そのための仕組みを作り、風土を醸成していく、
そんな力が求められるのです。

こうしたスキルは、
役職が付いたからといって、
自然に身につくものではありません。

だからこそ、管理者には、
マネジメントを体系的に学ぶ必要があるのです。

自分が培ってきた技術や経験を
部下に教えることももちろん大切。

でも、それだけで、
組織としての成果が出せて、
管理者の責任を果たせるわけではありません。

マネジメントを学んでいない人、
マネジメントを理解していない人が
管理者になると部下が不幸です。

プロ野球の監督で言えば、
マネジメントを学んでいない監督の下では、
勝つこともできず、選手が不幸です。


今回及び次回以降のコラムでは、
工藤監督の10月15日に行われた就任会見及び
その後の選手への訓示から、
私が工藤監督のマネジメント力の高さを
感じたポイントをお伝えしていきたいと思います。

次の5つの視点でお伝えします。

①全員がキーマン
②監督とは・・・自分なりの哲学を持つ
③「どうしたらできるか」を常に考える
④選手の自信を引き出す
⑤凡事徹底


企業経営や組織マネジメントに
役立つ内容だと思っております。

ただ、5つ全部を一度にお伝えすると
長くなりすぎますので、今回は、
①の「全員がキーマン」についてだけ
お話しします。

②~⑤は次回以降お伝えします。


① 全員がキーマン

就任会見の際、
記者からこんな質問がありました。

「キーマンとして考えている選手は
誰ですか?」

それに対して工藤監督は、
一瞬の迷いもなく、こう答えています。

「全員がキーマンです」

誰にしようかと考えるでもなく、
特定の選手の名前を挙げるでもなく、
「全員がキーマン」と即答。

カッコよすぎます。

これは、工藤監督が
チームというものについて
確固たる信念を持っているからこその
答えではないかと思うのです。

この発言のあと、工藤監督は、
野球は個人ではなくチームで戦うものだと
説明されていました。

個人の能力も大切だけれど、
チーム全体のバランスが重要である、と。


私なりに工藤監督の
言わんとするところを解釈すると・・・

「組織にいる一人ひとりに、
担うべき役割と果たすべき責任がある」

そして、
「一人ひとりが、
それぞれの役割を全うし、
責任を果たすことで、
組織として出したい成果を
出すことができる。
だから全員がキーマン」

ということではないかと・・・


野球で言えば、
長打を求められる選手もいれば、
送りバントで走者を進める役割の
選手もいます。

先発投手もいれば、
試合の終盤を任される役割の選手もいる。

役割は一人ひとり違います。

それぞれが自分の役割を認識し、
その役割を果たしてこそ、
チームとして勝利をつかむことができる。

会社組織でも同じ。

営業には営業の、製造には製造の、
管理部門には管理部門の
役割と責任があります。

一つの部署の中でも、
一人ひとりに役割と責任があります。

組織というのは、原則として
たとえ組織のみんなが
一生懸命に役割を全うしよう、
責任を果たそうと頑張ったとしても、
誰か一人が自身の役割を果たさなかったら、
組織として出したい成果を
出せなくなってしまいます。


誰か一人が役割を果たさないことで、
他の人の努力や苦労が
水の泡になってしまうことがある、
それが組織なのです。

「同じチームのメンバーの苦労や努力を
水の泡にしないためにも、
自分の役割を全うできるよう頑張ろう」

そんな気持ちで一人ひとりが働いてこそ、
組織としての本来の力を発揮でき、
出したい成果を出せるのではないかと思います。

組織において、役割の大きい、小さいは
あるかもしれません。

でも、組織として成果を出すうえで、
どうでもいい人なんていません。

役割のない人、責任のない人なんていません。

そして、一人ひとりが組織にとって
大切な存在なのです。


「全員がキーマン」


この言葉を、経営者や管理者が
心の底から信じているかどうか。

それによって、組織としてのありかた、
日々の部下への接し方も
ずいぶん変わってくるのではないでしょうか。

工藤監督がつくるチーム、
工藤監督と接する選手の意識、
どんなふうに変わっていくのか、
この一言だけからでも楽しみが増してます。


※工藤監督の就任会見での発言については
 こちらの動画をご参照ください。

 工藤監督就任記者会見動画

 今回の「全員がキーマン」の発言は、
 26:47からです。


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