コラム - 経営者へのラブレター

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経営者へのラブレター

その人が好きなら相手から近づいてくる

誰しも、自分のことを嫌っていると思う人には近づきたくないですよね。

逆に、自分に好意を持ってくれている人には、

こちらからどんどん近づいていきたくなります。

当たり前のことです。


実は、これ相手が人でなくて、それが物であっても、

同じことが言えるのではないかと、

今日のカンブリア宮殿を見ていて感じたのです。



今日(1月5日)のゲストは、

FUWA METAL USA 社長

増井 重紀(ますい・しげき)氏

増井氏は、アメリカの鉄屑業界で“レジェンド(伝説の男)”と呼ばれる男とのこと。



以下、増井氏が社長となった今でも、自ら鉄屑を買いに、

現場へ足を自らは込んでいることを受けての村上龍と増井氏のやり取り。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

村上龍:「増井さん、どうですか、本当はご自身が行かなくてもいいのに、

     鉄屑ヤードを見るのが好きなんじゃないですか?」


増井氏:「好きですねぇ。
  
     あのねぇ、これ行けば行ったで必ず何か発見するんですよ。」


村上龍:鉄屑、見ると量や材質だけじゃなくて、
   
    どこの産地かも分かるって書いてあるんですけど(手元の資料を見ながら)、

    こんなこと可能なんですか?


増井:これはねほとんど分かります。

   毎朝、船を見て、あっ、これこの船どこから来たんだって言ったら、

   フィラデルフィアのスクラップはこういうスクラップかと、

   この船どこだって言ったら、ロサンゼルスだと、

   ロサンゼルスのスクラップは薄っぺらい、品質が良くないなあと。

   それを毎日重ねていくでしょ。

   今度は製鉄会社にセールスに行くじゃないですか。

   購買担当者が鉄屑ヤードに行ってみるでしょ。

   あっ、なにキミ、オーストラリアのシドニーから来てるんだ、と言ったら、

   「えっ、増井さんなんで分かるの?」

   こんなとこにおい、ボストンのスクラップ来るの?いつ買ったんだ、っていうとね、

   「あ~、こいつ神様だって」そういう駆け引き。


   今では、向こう(鉄屑)がいいますね、

   最近は見てくれってなるんですよ。「とにかく俺見て」ちゅうようなもんですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

増井氏が鉄屑のことが好きで好きでたまらないから、

鉄屑のほうが、増井氏に近づいていっているような、

そんな感じがしませんか?

私は、このやり取りを聞きながら、そんな印象を受けました。


仕事も、好きで好きでたまらないって感じてやっていたら、

仕事のほうがこちらに近づいてきてくれるのではないでしょうか?


目標も、ノルマと思って、「あぁ、今月これだけやらなきゃいけないんだよなぁ」とか、

「今年これだけの売上上げなきゃいけないなぁ」とか、

やらされ感や義務感で捉えているとしたら・・・。


それはきっと目標のことを好きで好きでたまらないという状態ではないでしょう。

どちらかといえば、嫌っている状態ですよね。

そうだとしたら、目標がこちらに近づいてきてくれることはありません。


目標に対しても、好きで好きで仕方ないと思えば、

目標のほうからこちらに近づいてきてくれるのかもしれません。


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