コラム - 人材育成のルール

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人材育成のルール

あぁ、高校の先生が・・・(涙)

昨日(2月20日)、岐阜県大垣市のとある高校で

講演をさせていただきました。

私の話が終わって、学校の先生(男性、多分30代前半ぐらい)が、

生徒たちに向かって、終わりの挨拶をされたんです。

「はい、みんなぁ、いいかぁ、今日の話を聴いて・・・」って。

その話の内容で、ずっこけてしまいました。

挨拶の時間は、ものの30秒ほど。

つまり、一言だけだったんですが、その一言が・・・(涙)。


講演は、高校3年生を対象とし、

「社会人として必要なもの、企業が求める人材とは・・・」という

テーマでお話をしました。

この時期、就職が内定している生徒さんがいらっしゃるので、

ということでのテーマですね。

時間は、1時間ほどでしたが、

そのなかで、こんなことをお伝えしました。

高校生に向けて話した感じで、再現してみましょう。

以下、私が講演で話したことの一部です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『えぇ~、新入社員になって、上司や先輩など周りの人たちから

まずどんなことで、評価・判断されると思いますか?

こいつは“できそうだ”とか、こいつは“できなさそうだ”とか、

どんなことで評価・判断されるか?

一度、自分たちで考えてみましょう。


(と言って、ここで隣になった人たちで2分ほど考えてもらい、

2人の生徒さんに発表をしてもらいました。)


(発表してもらった後)そうなんです、新入社員は、

挨拶・笑顔・元気さで評価されてしまう割合が大きいんです。


ちょっと良い挨拶ができれば、周りからは、

「おっ、今年の新入社員はなかなかできそうなやつだ」

って評価されるし、

笑顔がいい、元気がいい、ってだけで、「できる人」って

良い評価をしてもらえるんです。


逆に、挨拶の声が小さい、顔が暗い、元気がないってことだと、

これはもう完全に「ダメなやつ」「仕事のできないやつ」って

評価になっちゃうんですね。


誤解を恐れずに言えば、

挨拶ができること、笑顔がいいこと、元気なことと

仕事の能力は、関係がないはずなんです。

でも、悲しいかな、周りが新入社員を評価するときは、そうならない。

で、恐ろしいのは、ここから!!

よく聞いてほしいんですけど、

人間というのは、周りの人が評価した通りになっていく

傾向があるんです。

大事だから、もう一回言いますよ。

人間って、周りの人が評価した通りの人間になっていくんです。

例えば、「仕事ができる人」って評価されれば、

たいして能力がなくても、

だんだんと本当に「できる人」になっていくし、

「仕事のできない人」って評価されれば、本来は能力のある人でも、

徐々に「できない人」になっていってしまうんです。

恐ろしですよね。


勉強でもそうじゃないかな?

「頭いい」って思われている人って、やっぱり良くなってくもんね。

実際、アメリカの心理学の実験で、

学校の先生から良い評価を受けた生徒は成績が伸び、

逆に悪い評価をされた生徒は成績が落ちた、

という事実もあるんですよ。


だから、皆さんも、会社に入ったら、

まず周りから良い評価を受けてほしいんです。

そうすれば、本当にできる人材になっていけますから。


では、どうすればよい評価が受けられるか。簡単です!

先ほどお話しした通り、挨拶・笑顔・元気なんです。

これらを少し大げさぐらいに、意識してやってみてください。

そうすれば、良い評価が受けられて、

本来持っている力がどんどん引き出されて、

周りから必要とされる人材になっていけますから』

(以上)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とまぁ、こんな感じで話をしたわけです。

途中、有名な心理学のピグマリオン効果なんてことも

交えて話をしました。

→ピグマリオン効果


これは、暗に学校の先生へのメッセージでもありました。


で、私が話し終えての、先生の挨拶(話)だったんですが、

こんな感じでした。

「はい、みんなぁ、いいかぁ、今日の話を聴いて、

君たちのダメなところ、至らないところが大いに分かったと思う。

ちゃんと今日の話を肝に銘じて・・・」って。


もう、「なんでやねん!」って突っ込みたい衝動に駆られました。

さっき「良い評価をされれば、人間はそれでよくなっていくんだから」

って話をしたばかりなのに・・・。

いきなり先生が、「君たちは至らない、ダメだ」って

ネガティブな評価のメッセージを投げちゃうんですから。


でも、でも、その先生が悪いわけではありません。

理解してもらいたいことを理解させられなかった私の力のなさ故です。


講師として、伝えたいことが伝えられなかった・・・。

悔しさと焦りがこみ上げてきました。

『生徒にも、俺の言いたいこと、全然伝わってないんじゃないか・・・』

って。


その学校の先生には、せめて、こんなことを言わせたかったなぁ。

「今日の話を聞いて、

何か一つでも自分のものになるよう取り組んでいこう。

君たちなら、今よりもさらにレベルアップしていけると思う」って。


自分自身の伝え方を大いに反省し、

リベンジを果たしていきたいと胸に誓ったのでした・・・。


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