コラム - 組織のルール

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組織のルール

良い風土、ぬるい風土、悪い風土~組織風土は非常時に表れる

前回のコラムでは、
「研修で垣間見える会社の性格」と題して、
良い組織風土とはどういう風土か、
逆に悪い組織風土とはどういう風土か、

また、

良い組織風土を醸成するにはどうしたらいいか、
そんなお話をお伝えしました。

ただ、少しお伝えしきれなかったことが
あるかなぁと感じております。

実は、前回のコラムを配信した後、
ある読者の方から、
以下のようなメールをいただきました。

「良い風土とは何か、言語化してもらえて、
ありがたかったです。

ただ、組織としては、
良い風土をつくるだけではなく、
やはり成果を出す必要もあると思います。

成果を求めれば、どうしても雰囲気が
ギスギスしてしまう気がします。

良い風土と高い成果は
両立させられるのでしょうか?」


確かに、そのように感じる方も
いらっしゃるでしょう。

ただ、私としては、こう考えています。

両立させられるのか、というよりも、
本来、良い組織風土があるからこそ、
高い成果を出せるようになるし、
高い成果が出せると、更に組織風土が良くなる

と。


なぜなら、良い組織風土の中では、
お互いに知恵を安心してぶつけ合えます。

自分とは異なる意見が出ても、
相手を否定することなく、
共通の目的を達成するための違った視点での
アイデア・意見として受け止めることができます。

そこから様々なより良いアイデアが生み出され、
より良い方策が考えられます。

だからこそ、高い成果につながっていくわけです。

そして、そうした高い成果が出せた方が、
やはり仕事は楽しくなります。

なぜなら、多くの人にとって、
仕事に楽しさを感じるのは、
『自分(たち)の考えたことを
具現化して、それで他者から感謝され、
成果を実感できたとき』

だからです。

成果を出せていない組織は、
なかなか明るい雰囲気にはなりにくいものです。

ちなみに、前回のコラムでは、
良い組織風土を次のように定義しました。

「他者を尊重し、
人を喜ばせることが働くことの目的として共有され、
その目的を高いレベルで実現するためには
安心して意見をぶつけ合い、自発的に行動する。

他の人の努力を無駄にしないためにも、
自分の持てる力を出していこう、
しっかりと努力していこうという気持ちで
仕事に向き合えている。

経験から学んで成長できていることを称え合い、
人を幸せにできていることに自らの幸せを感じ、
この組織で働けていることに誇りを感じている風土」

要素をまとめると、
・互いの尊重
・目的の共有
・意見や異論の歓迎
・挑戦と学習・成長に対する称賛(PDCAの実践)
・組織の一員でいることの誇りの実感

この定義から言っても、良い組織風土とは、
単に人間関係が良く、みんなが仲良く働いている
というものではありません。

働くことの目的が共有され、
その共通の目的を達成するために
言うべきことは言う。

現状よりも高い成果を出すために、
お互いに知恵を出し合う。

失敗をしたら振り返り、そこから学び、
次の行動を変える。

良い組織風土とは、成果に対しても、成長に対しても、
前向きであり貪欲な風土なのです。

こう考えた場合、
もう一つ定義しておきたい組織風土があります。

「ぬるい組織風土」です。

良い組織風土と、ぬるい組織風土は違います。
 

「ぬるい組織風土」とは、どんな風土か?
次のような風土ではないでしょうか?

「人間関係を優先するあまり、
成果やルールに対する厳しさがない。

問題や改善点があっても、
人間関係が悪くなることを恐れて、
お互いに指摘しあわない。

失敗やミスをしても、
『まぁ、こんなこともあるよ』
『次から気をつければいいよ』
で終わってしまう。

目標が達成できなくても、
責任が問われることもない。
やるべきことをやっていなくても、
特に追及されることもない。

人としても、組織としても
学習や成長が起こりにくい。

人によっては、ものすごく居心地がいい。

しかし、挑戦が生まれにくい。
当然、組織としての成果も上がりにくい」

こんなのが「ぬるい組織」ではないかと
考えております。

メンバー同士の仲はいい。
しかし、それは、良い組織風土とは違うと思います。

成果に対しても、成長に対しても、
貪欲とは言えないですから。


悪い組織風土との違いは、
成果に対する意識の違いでしょうか。

ぬるい組織風土は、成果に対して厳しさがない。

一方、悪い組織風土は、
「何をやってでもいいから成果を出せ」
となります。


では、こうした組織風土の違いは
どのようなときに顕著に表れるのか?

私は、業務上のミスや失敗が起きたとき、
目標を達成できなかったとき等に、
その違いが表れやすいと思っています。

通常時ではなく非常時ですね。

人間も非常時にその人の本性が
表れやすいものです。組織も一緒。


良い組織風土
ぬるい組織風土
それと、悪い組織風土
の3つのパターンで考えてみましょう。

まず、悪い組織風土の組織では、
ミスや失敗が起きるとどうなるか?

「今回の失敗は、自分のせいではない」
「〇〇さんが確認しなかったからだ」
「そもそも、あの部署から必要な情報が
 来なかったからだ」

と、自分以外の誰かに
責任を押しつけようとする。

なぜなら、自分に非があると認めれば、
叱責され、責任を追及され、
場合によっては評価や処遇にも影響するからです。

※悪い組織の定義は、前回を参照ください。
 ⇒「研修で垣間見える会社の性格」

上司も、失敗やミスの原因を、
部下の怠慢や注意不足に求めます。

そして、「誰が悪いのか」を徹底的に追及する。

更に、誰かを責めるだけで、
同じ失敗を繰り返さないための再発防止策が
考えられるわけではありません。

その結果、同じような失敗が繰り返される。

また、失敗やミスを隠すようになります。

正直に報告すれば、責任を追及されて、
痛い目に遭いますから。

目標を達成できなかった場合も同じでしょう。

「景気が悪かったから」、
「お客様の都合が合わなかったから」、
「他部署が協力してくれなかったから」
と自分は悪くないと他責で考え、
次の行動を変えることなく終わります。


一方、ぬるい組織風土ではどうでしょう。


誰かがミスをした、失敗をした。
目標を達成できなかった。


そんなとき、こうなります。
「まぁ、こういうミスもあるよ」
「誰だって失敗することはあるから」
「今回は仕方なかったよ。次、頑張ろう」
と、お互いに慰め合って終わり。

失敗・ミスの原因を考えることで
人間関係がこじれるのを恐れて、
なぜ失敗したのか、
どのプロセスに問題があったのか、
次から何を変えるのか、
ということまで踏み込まない。

そのため、ミスや失敗を
教訓にしようという意識も生まれません。

また、成果を出しても、出さなくても、
努力しても、しなくても、評価に大きな違いはない。

これでは、成果を出した人、努力をした人ほど、
むなしさを感じるようになります。

やってもやらなくても評価が同じなら、
やがて誰も努力しなくなるでしょう。

努力や成果をしっかり評価されたい人は、
ぬるい組織から抜けていくはずです。


では、良い組織風土の組織ではどうなるでしょうか。


良い組織風土の組織では、ミスや失敗が起きたときに、
「誰が悪いのか」ではなく、
「何がネックになって、このミスが起きたのか」
「他の人でも同じようなミスが起こる可能性はある。
どのような仕組みにすれば、同じミスを防げるのか」
を考えます。

誰かを責めることは、目的ではありません。

ミスや失敗を教訓にして、二度と同じ失敗を
繰り返さないようにする。

当事者の注意力や意識だけに
原因を求めるのではなく、
仕事の進め方、確認の方法、情報共有の仕組み、
役割分担、ルールや手順、
といったルールや仕組みを変えることで
再発を防ぐように努めます。

組織全体で、再発防止のためのプロセス改善に
取り組むのです。

このような問題解決ができるからこそ、
上司もミスや失敗の報告を受けたときに、
部下を叱責するのではなく、

「報告してくれて、ありがとう」
と、まず伝えることができるようになります。


ミスを歓迎しているわけではありません。


報告によって問題を早期に発見でき、
組織として改善する機会を
得られたことに感謝するのです。

だからこそ、メンバーはミスを隠さず
報告できるようになります。

そして、組織として
同じ失敗を繰り返さないように学べる。

この積み重ねが、高い成果に
つながっていくのだろうと思います。


念を押しますが、良い組織風土とは、
誰に対しても優しく、何をしても許される、
そんな風土ではありません。

人には優しく、仕事と成果には厳しい。

相手を尊重するからこそ
言うべきことが言える。

失敗した人を責めるのではなく、
失敗を繰り返さないための改善を徹底する。

良い組織風土とぬるい組織風土は
イコールではありません。

あなたの組織は、どのような風土でしょうか。

きっと良い風土だと思います。

ただ、良い風土だと感じていながら、
知らないうちに、ぬるい風土になっている、
なんてこともありますので、
その点は注意が必要です。


組織風土の違いが表れるのは、
ミスや失敗が起きたときだけではありません。

先述の通り、通常時ではなく非常時に表れやすい。

会議で意見が対立したとき、

このままでは目標達成が危うくなったとき、

部門を越えて協力しなければ、
問題を解決できなくなったとき、等々

このような非常時にどのような言動を取るのか。

そこに、その組織の風土が
表れるのだと思います。

こう考えると、良い組織風土を醸成するうえで
重要になるのは、
組織のリーダーが非常時に対応できる力、
問題解決へ導く力なのだと思います。


なぜ、良い組織風土を醸成するうえで、
リーダーの問題解決力が必要なのか、
このあたり、また改めて、
私の考えをお伝えしたいと思います。


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