コラム - 組織のルール

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組織のルール

ベテランと若手の狭間(はざま)で・・・

三重県の南伊勢町でのこんな取り組みが、
先日NHKで紹介されていました。

「漁師塾」

参加するのは、漁業未経験ながら、
漁師になることを検討している人達。

大学院生や元サラリーマンが多いようです。

その参加者の人たちに、
ベテラン漁師が、実際の現場で、
漁の仕方を教えるという取り組みです。

テレビではこんな場面が
映し出されていました。

ベテラン漁師が参加者に指示を出します。

「これ巻いて!」
「こっち入れて!」

ただ、そう言われても、
何をどうしたらいいのか分からず戸惑う参加者。

指示通りに動かない参加者を見て
ちょっとイラつくベテラン漁師。

双方、フラストレーションが
募ってしまう状況です。

参加者からしたら、指示の意味も分からないし、
何をどう聞いていいのか、
このタイミングで聞いていいものかどうかも
わからないわけです。

ベテラン漁師にしてみたら、
今まで人に教えたこともなければ、
教えた方を学んだこともありません。

どう伝えたら分かってもらえるのか、
そんなこと考えたこともないわけです。

で、このような状況、この漁師塾だけではなく、
あなたの会社の中にも
あるのではないでしょうか?

上司や先輩、ベテラン社員に
聞きたいことがあっても聞けない若手社員。

指示通りに動かない若手を
「デキない奴」と決めつけてしまうベテラン社員。

その結果、双方に不信感が募り、
フラストレーションが溜まって、
組織の雰囲気が悪化する・・・。


漁師塾では、こんな場面で登場する人がいます。

「漁業コーディネーター」

ベテラン漁師と参加者とをつなぐ仲介役。

漁業コーディネーターが参加者から
何を知りたいかを聞き出し、それを漁師に伝える。


番組内では、ベテラン漁師に対して、
「この位置から、ここの位置まで
網を寄せるよってことを
(参加者の)○○さんに教えてもらってもいいですか?」
とか、

魚の区分けを一緒にやりたくても、
それがベテラン漁師になかなか言えない参加者に代わり、
「魚を分けるのを一緒にやっても大丈夫ですか?」
と伝えたりしていました。


漁師側からすると
何をどう教えていいのかが分からない中で、
それをちゃんと伝えてくれるのが
漁業コーディネーターとなるわけです。

参加者側からすると、
教えてもらいたいことや
どう聞いたらいいか分からないことを
具体化して漁師に伝えてくれる存在となります。

ベテラン漁師と参加者とのコミュニケーションを
とりもつ漁業コーディネーター。

この漁業コーディネーターの仕組み、
色々な職場で参考になるのではないでしょうか?

例えば・・・

作業現場のベテラン作業員と若手作業員との
仲介役としての 「現場の技術伝承コーディネーター」とか、

ベテラン営業と若手営業との
仲介役としての 「営業コーディネーター」とか、

建設現場の監督であれば、
ベテラン監督と若手監督との
仲介役としての「監督コーディネーター」とか、

経営者と後継者との仲介役としての

「事業承継コーディネーター」とか・・・



本来は、こうした役を先輩社員や
身近な人が務めるべきだとは思います。

が、こうした仲介役って、
それなりのスキルやノウハウを
身に付ける必要があります。

双方の話を中立的な立場でしっかりと聴くスキル、
相手に分かりやすく伝えるスキル、
双方の気持ちを理解する共感のスキルや承認のスキル、
といったコミュニケーションスキルは必須でしょう。

更には、双方が何をどうしたいのかを
しっかりと理解するヒアリング力や
構造化する力等が必要になると思います。

それだけではなく、コーディネーターとしての
使命感もしっかりと持つ必要があるでしょう。

漁業コーディネーターの島本幸奈さん曰く、

「我々が呼び込もうとしている若者たちって、
都会で暮らしてきているので、
ある意味“通訳”的な感じで間に入らせてもらって
認識を合わせていくというのは心がかけています」

とのことです。

もしも、こうしたコーディネーター制度を
導入したいと思われる方がいらっしゃいましたら、
ぜひお声がけください。

一緒に考えながら制度を構築していきましょう。

ちなみに、先ほどお伝えした
「事業承継コーディネーター」でいえば、
現経営者が後継者に対して、
何をどう伝えるかのワークシートは
弊社にて作成してあります。

このワークシートに基づき
現経営者と後継者のコーディネートが
できるようにしてあります。


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