コラム - 仕事のルール

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仕事のルール

もしもあなたが天才なら・・・

3月から4月にかけて、新入社員の方々への
教育を数社で担当させていただきました。

今回のメルマガでは、そこでお伝えしたことを
一つご紹介したいと思います。



世の中に、「好きこそものの上手なれ」
という言葉があります。


スポーツでも音楽でも、
例えばゲームなどの遊びでも、
好きだからこそ、時間を惜しまず取り組めて、
苦しい練習も厭わず、その結果として
どんどん上手になっていく、ということですね。


確かに、その通りだと思います。


が、仕事に関しては、そうではなく
逆なのではないかと思うんです。

「好きこそものの上手なれ」ではなく、
「上手にやれるから好きになれる」ではないかと。


好き→上手

ではなく、

上手→好き。


例えば、「営業」という仕事。

新入社員のときから好きで、
どんどん時間を惜しまず努力をし、
どんどん上手になって、楽しくなっていくか、
と言えば、そんな人は稀だと思うんです。


そうではなく、最初はお客様と話をするのも
しんどいなぁと思いながらも、
でも、徐々に話もうまくできるようになり、
営業そのものがうまくできるようになっていく。

その結果として、「営業って楽しいな」と
思えるようになる。


仕事においては、そんなパターンが
多いのではないでしょうか?


で、新人教育の場で、新入社員の人たちには、
次のようにお伝えしています。


「仕事は上手にやれるようになれてこそ楽しくなる。
まずは上手に仕事ができるようになろう。

そのためにどうしたらいいか?

そのためには、先輩社員や上司から
まずはかわいがられること。



先輩社員・上司も感情を持った人間。

かわいいと思えない後輩・部下より、
かわいいと思える後輩・部下のほうが、
仕事を教えてあげようという気になる。


仕事のやり方についてちゃんと教えられたほうが、
仕事の上達は早くなる。

またかわいいと思われたほうが、
仕事も任されやすい。

より多くの仕事を任されたほうが、
これまた仕事の上達は早くなる。


では、かわいげのある後輩・部下と
思ってもらうにはどうしたらいいか?


そのためには、やっぱり基本的な
笑顔、大きな声、挨拶もしっかりとし、
そして、先輩や上司を敬う気持ちを持つこと」
と。


ただ、ただです。

これは一般論。一般論なんです。


世の中には「天才肌」の人っているんですよね。

天才肌というかズバリ「天才」と
言った方がいいかな。

まぁ、言葉は悪いですが、
個人的には脳の構造が一般の人とは
ちょっと違った人たちだと思います。


そういう「天才」の人からしたら、
周りから可愛がられて、教えてもらって、
仕事のレベルを上げていって、仕事を好きになる、
なんてことは必要ないのだと思うんです。


少なくとも私は全く天才肌でもないんで、
あくまでも推測です。


人から何と思われようが、自分の信じたことを
徹底的にやれてしまうんです、天才は。

例えば、Apple創業者のスティーブ・ジョブズとか、
MicroSoftのビル・ゲイツとか、
たぶん周りからみたら、
あんまりかわいげのある若手社員では
なかったんじゃないでしょうかね。

メジャーリーガーのイチローは、
若かりし頃(確か入団2年目)、コーチから
「グリップエンドを握るフォームは、
デッドボールで小指を骨折する恐れがあるから
やめたほうがいい」とアドバイスされたとき、
こう言ったそうです。

「こんなところにデッドボールをくらうなんて
どんくさい選手のことですよね。
当たらなきゃいいじゃないですか」と。

コーチのアドバイスを全く聞かずに、
自分の考えを貫き、
グリップエンドを握るフォームを
変えなかった。

全く実績もない高卒ルーキーに
こんな言われ方したら、コーチとしたら、
全くかわいいと思わないし、
勝手にしろって思っちゃいますよね。

ちなみに、そのときイチローは、
2軍落ちさせられています。


元中日ドラゴンズ監督の
落合博満氏の若手の頃も然りです。

不調の時、コーチがいくらアドバイスしても
「自分の好きなようにやらせてくれ。
ダメならおれの責任でいいから」と、
全く聞かなかったらしいです。

こうした天才肌の人は、
周りから可愛がられる必要ありません。

自分で考えて、自分で人よりも物事に集中して、
徹底して努力を続けられます。


企業組織の中でいえば、
高輝度青色発光ダイオードを発明・開発した
元日亜化学の中村修二氏なんかも、
そのタイプの人でしょう。


まぁ、いわゆる歴史上の偉人と言われる人は、
多かれ少なかれ一般人と脳の構造が違う天才だと
私は、勝手に思っています。


例えば、日本陸軍の創始者で幕末に活躍した
大村益次郎は、長州征伐や戊辰戦争では
天才的な軍略家ではありましたが、

夏の暑い日に、町ですれ違った人から
「こんにちは、暑いですねぇ」って挨拶されたら、
「夏だから暑いのは当り前です」と返すような
人だったらしいです。


人並みの挨拶もできない。
もちろん笑顔なんて見せるわけがない。
元気できびきびしているはずもない。

当然、周りからかわいがられもしないし、
逆に敵が多くなりますよね。

でも、天才肌の人って、そんなこと意にも介せず、
信じた道を突き進めてしまうんです。


で、新入社員の人たちには、こう付け加えてあります。

「もし、自分は周りから何と思われようが
全く意に介しない天才肌の人間だと思うなら、
かわいがられる必要はない。

それはそれで、そのように生きていく選択を
自らしてもいいと思う。

ただ、天才肌ではないと思うなら、
まずは周りからかわいがられたほうが
仕事は楽しくなりやすい。

でも、間違えていけないのは、
周りの人の言うことを鵜呑みにして、
『はい、はい』と言っているだけではよろしくない。

かわいがられながらも、
周りの人のアドバイスを聞くか聞かないかは、
自ら判断をして、自ら選択しているのだということは
忘れてはいけない。

うまくいかないときに、人のせいにしないために」と。


ちょっとだけ先輩面して伝えちゃいました。


では、良いGWをお過ごしください。


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