プレゼンの極意~相手を物語に登場させる
このCM、ご覧になったことは
ありますでしょうか?
USJ CM
少し前に流れていた
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の
CMです。
俳優の窪塚洋介さん(47歳)と、
息子の窪塚愛流さん(23歳)が
親子で出演しています。
窪塚洋介さんが大人になった息子の愛流さんと
久しぶりにUSJへ行き、親子ではしゃいで
楽しい時間を過ごしている、
という内容なのですが、
これが、私にとっては、
「親子でUSJかぁ、えぇなぁ」、
「久しぶりにUSJ、行きたくなるなぁ」
と思ってしまう内容なわけです。
なぜ、こんなCMの話をしているかというと・・・
先日、東京に住む25歳の長女が
久しぶりに名古屋に帰ってきたので、
22歳の長男と3人で食事に行ってきました。
家の近くにあるなかなか美味しい
イタリアンのお店。
そこでピザやパスタをいただきながら、
娘の東京での仕事の話などに
花を咲かせていました。
そのとき、つい口をついて
言ってしまったのです。
「久しぶりにUSJに行くか」
と。
たぶん、“あの”CMが心のどこかに
残っていたんだと思います。
我が家は、子どもたちが幼い頃、
比較的頻繁にUSJには行っておりまして、
1年に1回は行っていたんじゃないかと思います。
子どもたちもUSJに行くことを喜んでましたが、
何より私自身がUSJを好きだったのです(^^;)
で、息子が12歳のときにUSJへ行った際、
こう感じていたのを覚えています。
「もうこれで、一生涯、
USJに来ることもないんだろうなぁ。
これが最後のUSJかぁ・・・
なんか一抹の淋しさを感じるなぁ」
と。
子どもを連れていくという名目があるからこそ、
USJに行けていたのであって、
子どもが大人になり、
一緒に行かなくなれば、
USJに行くこともありません。
このシチュエーションが、
まさにUSJのあのCMと
ドンピシャで当てはまるわけです。
当然、うちの家族だけが
当てはまるわけではないと思いますが、
まさに「これ、うちのことじゃん」と
思わされるCMになっている。
プレゼンテーションとして
非常に秀逸なCMだと思います。
プレゼンテーションの目的は、
「相手の行動を促すこと」。
そのためには、論理的に正しいことを
伝えることも大事ですが、
それだけでは十分ではありません。
相手の行動を促すためには、
「相手の心を揺さぶる」必要があります。
聞いている相手に
「これは自分のことだ」
と思ってもらい、
「そうなんだよ!そうしたいんだよ、
そうなりたいんだよ」
と思わせる必要があります。
そのために有効なのが、
「相手を物語の中に登場させる」
ことです。
USJのCMを参考にするとしたら、
「こんな経験したことありませんか?」
→「あるなぁ」
「であれば、こんなことを
実現したくはありませんか?」
→「したい!」
という流れでしょうか。
そして、その実現したいことを
実現できたときの感情を想像してもらう。
こうすることで、単なる説明ではなく、
人を動かす「メッセージ」に
なるのではないでしょうか。
USJのCMから、
「親子で久しぶりにUSJではしゃぐ、
こんな場面、経験したくありませんか?」と
伝えられ、それに私は「Yes!」と答え、
提示された物語の登場人物として、
「久しぶりに子どもとUSJに行けたら、
楽しいかもなぁ」と
感情を揺さぶられたわけです。
実は、その後、話が進み、
本当に子どもを連れてUSJに行くことに
なってしまいました(^^;)
完全に行動を促されました。
なお、なぜか長女の彼氏、長男の彼女まで
一緒に行くことになってしまいまして・・・
いったいどれだけ費用が掛かるか、
それが心配になっています(-_-;)
きっと、私と同じように
大人になった子どもたちと一緒に
USJに行っている親子は、
それなりにいるのではないかと思いますが、
どうでしょう?
ちなみに、USJのCMには、
以前からそうした考え方が
織り込まれていて、
マーケティング界隈では、
有名な話だったりします。
USJのV字回復を
マーケティング面で牽引した
森岡毅さんが手掛けたクリスマスのCM。
それまでのCMでは、
昼にはこんなイベントがあります、
夜にはこんなイルミネーションがあります、
というように、
USJで「何が楽しめるのか」を
伝えることが中心でした。
それに対して、森岡さんは、
小さな子どもを持つ親の感情に焦点を当て、
こんなメッセージを
CMを通して発信したのです。
『 いつか君が大きくなって
クリスマスの魔法が解けてしまうまでに、
あと何回こんなクリスマスが過ごせるかな・・・』
USJ2010年クリスマスCM
※この動画の1:06あたりから
子どもは、いつまでも小さいわけではない。
今は一緒に遊んでくれていても、
やがて大きくなれば、
親とは遊びに行かなくなる。
親子で一緒にクリスマスを楽しめる時間は、
実はそれほど長くない。
そんなことを、父親と娘の物語を通じて
伝えたわけです。
2010年のクリスマスのCM。
私の娘が9歳のときですから、
私にもドンピシャに当てはまる
CMだったんですが、
そのときは、私がその物語の登場人物に
なることはなかったですね。
なぜなら、既に毎年、
USJに行っていましたから(^^;)

