人に頼るのが苦手な方へ
こんな経験をしたことはないでしょうか?
仕事で同僚が問題を抱えている。
そこで、「手伝うよ」と伝えた。
ところがその同僚からは、
「大丈夫。自分で何とかするから」
とこちらの申し出を断ってきた。
こちらとしては、
「せっかく手伝うって言っているのに・・・」
と少々腹立たしさも感じつつ、
それ以上に
「自分の力は必要ないってことなの」と
寂しさを感じたりもする。
いかがでしょう?
仕事に限らず、こんな経験ってありませんか?
実は私自身、
最近このようなことがありまして・・・
今回は、その私自身の経験を踏まえつつ、
「人を頼ること」について
メルマガを書いてみたいと思います。
人に頼ること、任せることが
苦手だという方にとって、
二つの観点で、そのメンタルブロックを
外せたらと考えております。
まず、一つ目の観点。
先の事例で言ったら、断った側に、
全く悪気はないでしょう。
むしろ、自分のせいで
誰かに迷惑をかけたくない、
手を煩わせたくない、と気を遣って、
「大丈夫」と言っているのだと思います。
人にお願いする=相手に迷惑をかける
どこかで、そんな感覚を
持ってしまっているからこそ、
人にお願いをすることに気が引けてしまう、
というのはあるのかもしれません。
でも、人に頼ること、任せることは、
相手にとって「迷惑なこと」なのでしょうか?
冒頭の話から考えると、
自分が誰かに「手伝うよ」と言って、
「大丈夫」と断られた、そのとき、
「迷惑をかけられなくて良かった」
とは、あまり思わないですよね。
むしろ、その逆。
人には、誰かの役に立ちたい、
頼ってもらいたい、
という欲求があるのです。
誰かから頼られることで、
「自分が必要とされている」
「自分は人の役に立つ存在である」
と感じられる。
そう考えると、人を頼ることは、
相手に負担や迷惑をかけることではなく、
相手の「自分は役に立てる存在」という
感覚を高めることにもなると思うのです。
これが一つ目の観点。
次に二つ目の観点です。
人間関係という観点でいうと、
面白い心理現象があります。
「ベンジャミン・フランクリン効果」
と言われるものです。
普通に考えると、
人は誰かから親切にしてもらえば、
親切にしてくれた相手を
好きになりそうですよね。
もちろん、それもあります。
しかし、それとは逆に、
「親切にした側」、
「頼みごとを聞き入れた側」が、
頼みごとをしてきた相手に対して、
好意を持つことがあるといわれているのです。
これが、
ベンジャミン・フランクリン効果。
名前の由来はこうです・・・
アメリカ建国の父の一人、
ベンジャミン・フランクリンには、
議会で自分に敵対的な人物がいました。
あるときフランクリンは、
その人物が珍しい本を持っていることを知り、
「その本を数日貸してほしい」
とお願いしたそうです。
相手は、その頼みを聞き、
本を貸してくれた。
そしてフランクリンが本を返した後、
それまで敵対的だった相手が、
以前より友好的に接するようになった。
頼みごとを聞き入れた側が、
頼みごとをしてきた相手に
好意を持つようになる。
なぜ、このようなことが起きるのか。
一つの説明として、
「認知的不協和」があります。
「あの人のことは嫌いだ」
でも、
「自分は、その人の頼みを聞いてあげた」。
この二つには、矛盾があります。
そこで、
「嫌いな相手に、わざわざ親切にするだろうか」
「実は、それほど嫌いでもないのではないか」
と、相手に対する認識の方が
変わっていくというのです。
「本当にそんなことあるんか」
と思われるかもしれません。
信じるか信じないかはあなた次第です(^^)
もちろん、
「頼みごとをすれば、人から好かれる!」
なんて単純な話ではありません。
無理なお願いばかりしていたら、
間違いなく嫌われます(笑)。
これが二つ目の観点。
いかがでしょう?
人を頼ることが苦手な人は、
「人にお願いすることは、
相手に迷惑をかけること」
とだけ考えなくても
いいのではないでしょうか。
むしろ、適度に人を頼ることによって、
相手に、
「あなたを頼りにしています」
「あなたの力を認めています」
と伝えることにもなる。
そして、それが人間関係を
深めるきっかけになることもある。
特に、管理者の方には、
意識していただけるといいと思います。
何でも自分でやってしまう、
部下に任せるより自分でやった方が早い、
部下にお願いするのは申し訳ない、
そんなふうに考えて、
仕事を抱え込んでいるとしたら、
特に意識をしていただけるといいですよね。
部下からすれば、
上司から頼られることで、
「自分を信頼してくれている」
「自分の力を認めてもらえている」
と感じることもあります。
「これ、〇〇さん詳しいよね。
ちょっと教えてくれない?」
「この件、〇〇さんの意見も
聞かせてほしい」
「この資料、作成しておいてほしい」
ベンジャミン・フランクリン効果で言えば、
このような小さなお願いをすることが、
人間関係を良くしていくきっかけに
なることもあり得るのです。
また、何でも自分で抱え込むことが、
必ずしも相手のためになるとは
限らないということです。
上手に人を頼る。
それもまた、人間関係をつくり、
部下を活かすための
一つのマネジメント技術なのだと思います。

