新入社員からの「言葉ではないメッセージ」
4月1日、多くの企業では新入社員が入ってくる日です。
私はこの時期、新入社員研修をいくつかさせていただく機会があります。
既に、3月29日から31日にも3日間の新入社員研修の講師をしてきました。
ここ7年ほど、継続して新入社員研修をさせていただいている会社ですが、
毎年非常に楽しみにしている仕事だったりします。
この会社の新人は、毎年実に反応がよく、多くのことを学び取ろうとする積極的な姿勢で
受講していただけるので、こちらも気持ちよく講義を進めることができるのです。
実は、3月11日の地震以来、どうも仕事をやっていても、普段の生活でも楽しくなかったりします。
提案書を作っていても、
「この提案も、ほぼ決まりのような感じだけど、震災の影響で、
ひょっとしてキャンセルになるんじゃないかなぁ」とか、なんか不安感というか、ネガティブになって
しまったりするわけです。
子供と遊びに行っても、なんか楽しめないし、
テレビを買っても、「あの津波に遭った人達の中で、
きっと同じようにテレビを買ったばかりの人もいたろうなぁ」なんて考えてしまったり・・・。
軽いうつ状態じゃないかって思うぐらい。
もちろん、被災された方々が、私などの比ではない不安を抱えているのは承知しています。
ただ、あの映像を見て、原発問題の真実が伝えられず、いつ収束するかも分からない、
こんな状況では、私と同じような症状になっている人も結構いるのではないでしょうか。
我々昭和40年生まれは、どちらかといえば、いい時代を生きてきた世代だと思っています。
特に大きな問題もなく、あっても頑張ればなんとかなってきました。
その頑張ればなんとかなる、という神話が、今回の原発事故で崩れてしまうのではないか、
そんな焦燥感から、この不安は来ているのかもしれません。
「世の中には、どんなに頑張ってもなんともならないことってあるのかもしれない・・・」と。
そんな中で、元気な新入社員と触れ合うことができたことは、私にとっては非常にラッキーでした。
月並みな言い方ですが、「元気をもらえました」。
感謝しています。
きっと若い人たちも我々の世代も、日本がひとつになって、この国難を乗り越えていける、
そんな勇気をもらえた気がします。