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「危機感」という言葉が似合わない組織

本日、10月から始まる「次世代の経営層」向け教育の事前打ち合わせということで、
とある会社へ訪問してきました。


組織の雰囲気をつかむ目的で、
教育の対象になる人たちが出席している会議を約3時間ほど見学。


3時間の会議を見させてもらえば、大体のその組織の雰囲気や、
それぞれの人たちの人間性、コミュニケーション力、問題解決力が、
おおよそつかめます。


会議見学後、社長といろいろ話をしました。

「会議を見てみてどう感じたか?」

「教育プログラムは決まっているが、何か付け加えるべきことはないか?」

「組織の雰囲気はどうか?」

などなど。



その中で社長から、
「社員に危機感を持つように話はしているんだが・・・」
という発言がありました。


会議の場でも、「会社としても、もっとチャレンジしていかなければいけない。
変わっていかなければいけない。」との話も社員から挙がっていました。


しかし、どうもこの「危機感」という言葉が、この組織には、
似合わないような気がしたのです。


なぜ、そう感じたのか、そのあたりの機微を説明するのはなかなか難しいところです。

とにかく、会議の風景や社長の人柄などなどからそう感じたのです。


そこで、そのままの思いを伝えてみました。

「なんか、御社に危機感って言葉、似合わないですねぇ。そんな気がします」と。


すると、社長からはこんな発言が。

「そうかぁ、確かにうちの社員って、あんまり危機感を煽ると、
だんだん気持ちが沈んでいくところがあるんだよねぇ。」

うちの場合は、もっと前向きに何かチャレンジしていけるよう
仕向けていくほうが良いかもしれんなぁ。」


「確かに、その方が、御社には合ってる気はします。
まだほんの数時間の会議を見て、社長の人柄から考えてってぐらいですけど。」



そんな会話から、10月から始まる教育では、会社としての方向性だけは間違わずに、

もっと社員がアイデアを出して、チャレンジできるようにする仕組みづくりと、
その仕組みの運用を通じたリーダーシップの醸成を図ろう、ということになりました。


危機感を持つことってすごく大切に言われますが、
組織によっては、危機感という言葉が似合わない組織もあるなと感じた一日でした。


なぜ危機感が必要かといえば、「これではいけない、このままではいけない」と思うことで、
新たなことへのチャレンジ精神が生まれるからでしょう。

そう考えれば、別に危機感を持てといって悲壮感を漂わさなくても、
チャレンジする気持ちが持てて、行動ができればいいわけです。

そのための方策を考えたほうが似合う組織があるのですね。


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