デフレにどう立ち向かうか!?~白川日銀総裁
2009年12月21日のワールドビジネスサテライトに日銀の白川総裁が出演されました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/
日本を苦しめているデフレの問題に関し、日銀総裁の立場で話をされていました。
以下、白川総裁の話をまとめました。
<デフレの現状>
世界的に言うと、日本が特にデフレ傾向が強い。
消費者物価の変化を「日本」、「米国」、「ユーロ圏」で比較すると、
(総合指数の平均前年比%)
80年代 90年~97年 98年~02年
日本 2.5 1.5 △0.2
米国 5.6 3.3 2.5
ユーロ 5.3 3.0 1.9
となる。
<デフレの原因:なぜ、デフレになっているのか?>
白川総裁曰く、「3点挙げられる」。
①内外格差の是正
・流通合理化で、以前は盛んに言われていた内外価格差が是正されてきた。
・流通の規制緩和などが進んだ。
↓
その結果、衣料品などの価格が低下した。
②雇用確保を優先
・賃金よりも雇用を優先させ、労働者が賃金低下を受け入れている。
↓
その結果、労働集約的サービスの価格低下が起こっている。
③バブル崩壊後の不安感
・バブル崩壊以降、将来の成長への期待感が日本国民に取り戻せていない。
↓
その結果、消費者の需要が伸びない。
※白川総裁は、「③のバブル崩壊儀の不安感が払しょくできていないことが、
現在のデフレの根本原因」と指摘していた。
<デフレ対策:では、どうしたらいいのか?>
今まで・・・
「量的緩和」と「ゼロ金利」
↓
低金利
↓
企業と人がお金を借りやすく
↓
民間の経済活動を下支え
白川総裁:「資金を企業へ潤沢に供給することで、金融システムの維持・安定に貢献できている」
今後は・・・
①経済全体の需給バランスの改善を図る
②迅速果敢な量的緩和でデフレスパイラルを未然に防ぐ
白川総裁:「低金利による海外への資金流出よりも、経済活動の下支えを優先させる」
<白川総裁の提言>
企業も個人も「稼ぐ力」を高める必要がある。
そのためには、
企業の成長政策として、
①国内制度の見直し→グローバルな経済環境に対応する
②労働力、生産設備の経済支援→ニーズの高い分野に円滑に流れるようにする
③社会的セーフティネットの整備
個人レベルでは、
①チャレンジ精神の醸成
②将来に悲観的にならない。根拠なき悲観主義でも、根拠なき楽観主義でもダメ。